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<論説コラム>サザン40周年ツアー大団円!その熱すぎる余韻に酔いしれて

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<論説コラム>サザン40周年ツアー大団円!その熱すぎる余韻に酔いしれて | CBC論説THEコラム | CBCテレビ

本格的な夏の訪れを前に、サザンオールスターズの1年以上にわたった“歴史的な熱い夏”が過ぎていった。(敬称は略します)

■待ちに待った40周年ツアー

1978年(昭和53年)のデビューから今年で41年目を迎えたサザンオールスターズは、2019年3月から6月にかけて、6大ドームを含む全国11か所で22回、55万人動員のコンサートツアーを敢行した。
6月16日の東京ドームで締めくくられた今回のツアーは、ファンにとっては記念すべき40周年のステージであり、ライブ後もその余韻に浸り続けるものとなった。
サザンが歩んだ41年という歳月は、「昭和」「平成」そして「令和」という実に3つの時代をまたいでおり、ライブ会場に詰めかけた一人一人が、おそらく自分の歩んできた人生をそれぞれに重ね合わせる貴重な機会にもなった。「サザンオールスターズ応援団」(ファンクラブ名称)メンバーのひとりとして、ナゴヤドームでのライブに駆けつけた。

■注目のスタート曲はコレだった!

どのアーチストにも共通するが、ステージで最初の注目は「1曲目はどんな歌か?」である。かつて2000年8月“サザンの聖地”茅ヶ崎でのライブの際、桑田佳祐が事前に「1曲目はKから始まる」とヒントを出し、多くのファンはデビュー曲『勝手にシンドバッド』を思い浮かべたが、実際は名曲『希望の轍』だったということもあった。
そして今回は?
『東京VICTORY』だった。桑田ソロから始まり、シルエットが映し出された幕が上がってメンバーが登場した瞬間、ドームの興奮は早くも最高潮に達した。1年後に東京五輪・パラリンピックの開催が迫る中、この1曲目はとても納得がいくものだった。
続いて『壮年JUMP』『闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて』という2018年の新しい曲が早々に歌われたことにもどよめきが起きた。これは何かある、この後のセットリストに・・・。

■ファンが酔いしれた80年代の名曲たち

サザンにとって、デビュー2年後から始まった1980年代という時代は特別な日々だったのだろうと思ったのは、コンサートの中盤である。
2015年のアルバム『葡萄』の中から『青春番外地』を歌った後の9曲目は『欲しくて欲しくてたまらない』。1985年の2枚組アルバム『KAMAKURA』の中の曲だが、そこから80年代の幕が開く。
『古戦場で濡れん坊は昭和のHero』(1985年)、『女神達の情歌(報道されないY型の彼方へ)』(1989年)というレアな曲、感動の『わすれじのレイドバック』(1980年)など、その途中では今回のツアーに合わせて作ったという新曲も歌われたが、80年代の曲が次々と続く時間は相当に長かった。デビュー以来のファンにとっては懐かしく、若い世代にはまるで新曲のように思えたかもしれない。しかしこの時間こそが、今回の40周年記念ステージの真髄だったのではないだろうか。

デビューまもない1980年代のサザンオールスターズにはさまざまなことがあった。
桑田佳祐と原由子の結婚、日本レコード大賞でベストアルバム賞を相次いで受賞、人気名作ドラマ『ふぞろいの林檎たち』で主題歌となった『いとしのエリー』はじめ使用された数々の曲があらためてヒット、初の年越しカウントダウンコンサート、そして原由子の出産に伴う活動休止とソロ活動の「KUWATA BAND」など、その後の長き活動の礎(いしずえ)となった出来事が、80年代の10年間に見事に積み上がっている。
そして日本は、その後に訪れる「崩壊」を知らずにバブル経済に酔いしれていく。そんな時代だった。
現代風のアレンジとステージに映し出される見事な映像の数々によって蘇った80年代の曲たちに身を委ねながら、いろいろな人や物や思い出が、自分の心を往来した不思議な時間だった。

■闘う英雄(ヒーロー)たちへ愛を込めて

昭和時代のスポーツヒーローも登場した。
これも80年代の曲なのだが『ゆけ!!力道山』(1985年)では黒いタイツで空手チョップをくり出すプロレスラー力道山、『栄光の男』(2013年)ではまさに1番の歌詞で歌われた“ミスター・ジャイアンツ”長嶋茂雄の引退セレモニーの風景が、それぞれスクリーンに映し出された。
別のタイミングで「ピンキーとキラーズ」が歌った昭和のヒット曲『恋の季節』も披露されたが、桑田そしてサザンにとって生まれた時代“昭和への思い”も鮮やかに描かれたステージだった。
長嶋選手の映像に続き『栄光の男』の歌に合わせて引退したばかりのイチローさんの写真も紹介された。時代をつないでゆくヒーロー・・・そんな強烈なメッセージが表れた瞬間だった。

■妻への愛と仲間への愛

ステージ後半で歌われた曲に『はっぴいえんど』(2015年)がある。食道がんによって闘病生活を余儀なくされた桑田自身の人生観、そして妻や仲間への思いが歌詞に込められた名曲なのだが、これを歌いながら、桑田はステージ上手、そして下手の端まで歩き、ステージ横スタンドのファンに手を振った。感動の瞬間はナゴヤドーム第1日目に訪れた。歌の2番には、病む時に寄り添ってくれた「君」と称する女性に対して「自分より長く生きる君」と感謝の思いを歌うフレーズがある。ステージを右から左に歩きながらそのタイミングで桑田は、キーボードを弾く妻の原由子を軽く指さしたのだった。たしかにそう見えた。ひときわ感動した一瞬だった。

■次なる“希望の轍”を追いかけて

大学時代の学生バンドとしてスタートしたサザンオールスターズも、メンバー全員がとうに還暦を越えた。40周年の一大イベントを終えた後、でも、次がある。「これからもよろしくお願いします」・・・桑田の言葉と共にスクリーンに大きく映し出されたこの文字に、ナゴヤドームに詰めかけたファンからはメンバーに対して、途切れることのない熱い拍手が送られ、全36曲、3時間半に及んだ40周年の記念ステージが終わった。「サザン40年の歴史と実力を“見せつけた”圧巻のステージ」だった。

まもなく2019年6月25日、デビュー満41年の記念日も近い。熱い余韻が続く内に、再会の時を迎えたいと心から願っている。

【東西南北論説風(108)  by CBCテレビ論説室長・北辻利寿】

画像:『写真AC』

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