画像:足成
古くからの友人の新居へ夕食に招かれた時のことである。
もう10年ほど前のことだ。
男友達ばかりの鍋パーティだったのだが、宴の途中でトイレを借りた際に、洋式便器の上に貼り紙を見つけた。
「トイレは座ってお使い下さい」と書いてあった。
その際は小便だったのだが、便器に腰かけて用を済ませた思い出がある。
「あなたは自宅のトイレでオシッコをする際、どのようにしますか?」・・・特定非営利活動法人(NPO法人)日本トイレ研究所が、このほど全国20~69歳の男性515人を対象にしたインターネットでのアンケート結果を発表した。
それによると、男性の場合「立ってオシッコをする人」55.3%、「座ってオシッコをする人」43.7%と、立ち派が多いものの、その割合は結構せり合っていることが判明した。
興味深いのは「座ってする人」の内訳で、「自分の意思で座ってする」が35.3%、「家族に言われたので座ってする」が8.3%だった。
もうひとつの質問で「自宅のトイレでオシッコをした後に、便器周りの飛び散り汚れをどうしますか?」という質問があり、これに対しては「拭く」が67.4%で、「拭かない」の11.1%を圧倒。さらに別の質問で、パンツやズボンのシミを指摘されたのは「配偶者から」という答がトップであるところから察するに、「座ってオシッコをする」「便器周りの飛び散りや汚れを拭く」という行動の背景には、家族、特に配偶者の存在があるのかもしれない。
男性にとってオシッコは「立ち小便」という言葉が表しているように、古来「立ってする」ものだったと思うのだが、これも時代と共に移り変わった"トイレ事情"なのだろうか。
逆に、もともとは座って行なっていたのに、立ってすることが増えてきたものもある。
会議である。
企業などで参加者が立ったまま打ち合わせを行う会議が注目されて久しい。
「立ち会議」とか「スタンディング・ミーティング」とか呼ばれており、「短時間で済む」「集中力が高まる」「意見交換も活性化」「会議室を用意する必要がない」「すぐに集まることができる」などのメリットがあり、採用する企業も多い。
たしかに腰を下ろしてしまうと、会議が必要以上に長引いてしまうこともある。
効率性を求めた"座りから立ちへのスタイル変換"であろう。
そんな社内会議などの休憩時間や終了後で注意しなければならないことは、再び話題はトイレに戻るが、そこでの会話である。
自宅以外の男性用トイレの場合は、小便用とボックスの2つに分かれているが、このボックスのドアが閉まっている時は要注意である。
トイレという空間は、排尿という人間の根幹に関わるとことがあり、ついつい無防備になりがちである。
会議の出席者が小便用の便器で並んでオシッコをしながら会議内容について会話を交わすと、ボックスの中にいる"誰か"に聞かれてしまう場合がある。
社内トイレの場合でも、社外の人が使用することがないとは言えないし、インサイダー取引防止についての研修会などでも注意事項として挙がる場合もある。
立ってするか?座ってするか?
私自身がどう回答するかについては、あえて差し控えさせていただくが、座ってする場合には便器のフタの裏側に飛び散ることも多いのでご注意いただきたい。
この経験談によって回答をお察しいただければ幸いである。
【東西南北論説風(19) by CBCテレビ論説室長・北辻利寿】