厚労省の調査によると、30年ほど前は65歳以上のお年寄りがいる世帯の45%が親・子・孫の3世代で暮らしていた。大家族が多数派だった。ところが、現在は、三世代世帯は13%と少数派。
逆に、夫婦のみのいわゆる老老世帯と一人暮らしの人を合わせると56%。半数以上を占めている。
3世代世帯が多数派だった時代には、家庭の中に介護力があった。しかし、今は、穏やかに暮らしていた夫婦のどちらかの病状が急変して入院したりすると、老老介護は突然崩壊してしまう。核家族時代、子どもたちは親とは離れた所に住んで家庭を持ち仕事をしている。老老世帯、独居世帯が中心となった現代、お年寄りが住み慣れた自宅で生活を続けるには、訪問診療、訪問看護、訪問歯科診療、ヘルパー、入浴サービスなどの介護サービスの手を借りることが必要となる。老老介護の最大の不安はやはり病状の急変。超高齢社会を支える新しい在宅医療の仕組み作りが喫緊の課題だ。