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第203回(5/9)

タバコは余りに“ハイ”リスク!肺の生活習慣病COPD

ゲスト パックンマックン プレゼンター 阿藤 快

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、タバコを吸い続ける事によって起こる肺の生活習慣病で、肺胞が壊れて空気が押し出せなくなる「肺気腫」と、気管支の粘膜に炎症が起こり、咳と痰が続く「慢性気管支炎」の総称です。どちらも徐々に呼吸が苦しくなっていくという症状が特徴です。
このCOPD、2020年には世界の死亡原因の第3位になるとも言われています。

ニコチン依存症になる理由

タバコを吸うと、無数の化学物質とともにニコチンが毛細血管に流れ込みます。これが血流にのって脳にたどり着き、脳の中にあるニコチン受容体と結合。快楽物質である「ドーパミン」が放出され一時的な幸せが得られるのです。
しかし脳内のドーパミンが減ってくると次のタバコが欲しくなり、この繰り返しでニコチン依存症になってしまうのです。ニコチンが無くなってきた時の禁断症状は、イライラ・うつ状態・頭痛やめまい・眠気・不眠・しびれ・足がつる・太るなど様々で、現れる症状も人それぞれです。

ニコチンには、血管を収縮させ胃への血流量を減らすという作用があります。これは胃腸の働きが弱るだけではなく、栄養も全身に行き渡りにくくなっている不健康な状態。逆に、タバコをやめると胃への血流量が回復して調子が良くなるため、一時的に太る場合があります。タバコをやめると太ると言われるのはこの為です。

タバコの肺への影響

タバコの煙に含まれるタールなどの有害物質は、気管支や肺を黒ずませるばかりでなく、その細胞も溶かしてしまいます。すると肺胞が壊れて肺に弾力が無くなり、肺から空気を押し出す力が低下します。
呼吸が自由に出来なくなる事で慢性的な息切れ等の症状が現れるのが「COPD」という病気です。
肺胞は一度壊れると再生しませんが、タバコをやめれば進行を止めることはできます。

禁煙に有効な行動療法

(1)行動パターン療法
喫煙と結びついていた生活習慣を変える療法です。
例えば食事の後、一服せずにすぐに席を立つなど、喫煙と結びついていた生活習慣を変えてみましょう。

(2)環境改善法
喫煙のきっかけとなる環境を変えます。
例えば喫煙席に座らないなど、喫煙のきっかけになる環境を改善します。タバコやライター、灰皿を処分することも環境を変えるきっかけになります。

(3)代償行動法
喫煙する代わりに他の行動をとってみましょう。
イライラして落ち着かない時は、身体を動かす事が有効です。