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第168回(8/23)

国内最大の感染症にご注意を!肝臓を狙うウイルスの恐怖

ゲスト 星由里子 プレゼンター 深沢邦之

肝臓は、成人で重さ約1.5kg、大きさはコブシ2つ分で人体最大の臓器と言われており、その細胞の数は2500億以上にのぼります。そして肝臓は、その細胞で数千種類にも及ぶ化学反応を起こしています。

沈黙の臓器

肝臓は元々、全細胞のおよそ80%が機能を失っても、残りの細胞で本来の機能を補う「予備能力」を持っています。
さらに、細胞が破壊された際には自己修復する「再生能力」も持ち合わせています。
そしてこの2つの機能を持っている為に、異常が起きても自覚症状が出ず、気づいた時には病状が進行しているということも少なくありません。これが、肝臓が「沈黙の臓器」と言われる所以なのです。

肝臓の主な機能

・栄養を必要な物質に変える代謝機能。
・有害物質を無毒化する解毒作用。
・エネルギー物質やビタミンなどを蓄える貯蔵機能。
・脂肪消化に必要な胆汁を分泌する。
このように肝臓は、生命維持に不可欠な臓器なのです。

また、お酒を飲まなくても、糖分の摂り過ぎで脂肪肝になることもあります。飲み過ぎだけでなく、食べ過ぎにも注意しましょう。

肝炎ウィルス

ウィルス性肝炎は、ウィルスの感染経路によりタイプが異なります。
A型は飲食物。B型、C型は主に血液による感染。またC型は感染率が低い一方、慢性化しやすいという特徴があります。
日本におけるB型、C型の肝炎ウィルスを持つ患者数は、推定300万人。これは国内最大の感染症なのです。

C型のおよそ7割は慢性化しますが、ほとんどが無自覚、無症状で、さらにその7割が肝硬変になります。そして、肝硬変になるとその9割が10年後には肝がんを患っています。

肝炎ウィルスの検査は保健所や病院の血液検査で行います。たとえ感染が分かっても、適切な治療や検診で病状の進行を予防することができます。
皆さんも一度、肝炎ウィルス検査を受けてみてはいかがでしょうか。