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特集アーカイブ 5時台特集

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2018年3月30日

こころの歳時記 4月 ~美しい自然でつづる日本の四季~

取材先 / 神宮内宮、神域の森、
神宮宮域林、その他の里山や里海など
所在地 / 三重県伊勢市・愛知県名古屋市名東区・
南知多町など
連絡先 / 神宮司廳(非公開)

伊勢神宮の神事や美しい日本の自然の映像で表現する「映像歳時記」。
日本の4月は「夢見草」の別名を持つ桜の花で幕開けです。
伊勢神宮内宮の奥、最も神聖な「神域の森」に、杉の巨木の途中から生えた枝に山桜の花が咲くという樹齢250年の不思議な「宿(やど)り木(ぎ)桜」があります。
神宮では4月上旬、神々に供えるお米を作る「神宮神田」で、神聖な御料米の籾(もみ)種(だね)「忌(ゆ)種(だね)」を苗床に撒く「神田下種祭」が古式ゆかしく催されます。
4月5日は二十四節気の「清明(せいめい)」。あらゆる命が生き生きと輝き出す頃です。
野山はもちろん、都会の道端でも野の花が可愛い花を咲かせます。中でもアスファルトの隙間に多いのがスミレ。その種には「種沈(しゅちん)」と呼ばれるアリの好む物質がついていて、アリがスミレの種を巣穴に運び込むため、アスファルトの隙間など、意外な所からスミレの花が咲くのです。
4月のうららかな海は海藻や多くの生きものたちで大賑わい。中でもヒジキなどの海藻に多いエビやカニの仲間のワレカラは、体を揺らしプランクトンを採る様子が、まるでダンスを踊る踊り子のように見える面白い生き物です。
今年の4月20日は二十四節気の「穀雨(こくう)」。穀物を育む雨の降る頃。
神宮宮域林の森に降り注いだ雨は、美しいタニギキョウの咲く岩山で清水となって湧き出し、五十鈴川の源流となります。そんな清水の湧く穴の中でメスを求めて鳴くのは日本固有種のタゴガエル。湧き水の中に産み付けられた真っ白な卵が、純白のオタマジャクシになる頃は4月も末。
大昔から続くいのちの営みが、神宮の森では今も脈々と続けられています。