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特集アーカイブ 5時台特集

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2017年12月1日

こころの歳時記 12月 ~美しい自然でつづる日本の四季~

取材先 / 神宮内宮、神宮宮域林、
その他の里山や里海など
所在地 / 三重県伊勢市・熊野市・
愛知県名古屋市・
和歌山県田辺市など各地
連絡先 / 神宮司廳(非公開)

このコーナーは12月の歳時記を、伊勢神宮の神事や「俳句」、「やまと言葉」と共に、美しい映像で表現しようと試みた「映像歳時記」。
生きもの達が冬支度を始める中、12月になると現れる虫も。
北国では真っ白な綿毛の雪虫(アブラムシの仲間)が飛ぶと初雪が降ると言われている。
12月7日は二十四節気の「大雪(たいせつ)」。
いよいよ本格的な冬の始まり。
花の少ない12月を彩るのはサザンカやツワブキ。
寒風吹きすさぶ荒磯には、日本固有種のアゼトウナが、健気に黄色い花を咲かせる。
冬に山から吹き下ろす風は「颪(おろし)」。
伊吹山から濃尾平野に吹き下ろす伊吹颪が知られるが、三重県熊野地方では、夜間に冷え込んだ紀伊山中に霧がたまって雲海を作り、その雲が山を越えて吹き下ろす風伝颪の絶景が見られる。
伊勢神宮では毎月1日、11日、21日の朝、皇室から献納された「神馬(しんめ)」が内宮外宮それぞれの正宮へ参拝する。
雨天や馬の体調で中止になることもある。
そして12月22日は1年で最も昼の短い「冬至」。
この頃、伊勢神宮では宇治橋の鳥居の中央から朝日が昇る。
冬至が過ぎると各地で迎春準備が始まる。
伊勢神宮では元日に奉納される初神楽の練習が行われる。
一般家庭でも松飾りなどの準備はこの頃から。
冬でも青々と茂り常(とこ)若(わか)を象徴する松や青竹と共に、縁起のいい南天(難を転ずる)、万両などの実が飾られる。
みな身近な野山に生えている植物で、赤い実が多い中、ジャノヒゲの瑠璃色の実、「竜の玉」もまた美しい。
日本人はこうして暮らしの中に身近な自然を日々の生活に取り入れてきた。