イッポウ

毎週月曜~金曜 夕方4:50~7:00放送

そのニュース、芯まで

特集アーカイブ 5時台特集

特集アーカイブ 5時台特集

2017年8月1日

こころの歳時記 8月 ~美しい自然でつづる日本の四季~

取材先 / 神宮宮域林、五十鈴川、御塩殿、など
所在地 / 三重県伊勢市・熊野市・名古屋市
・福井県若狭湾など各地
連絡先 / 神宮司廳(非公開)

このコーナーは8月の歳時記を、伊勢神宮の神事や「俳句」、「やまと言葉」と共に、美しい映像で表現しようと試みた「映像歳時記」。
8月は夏本番、空に立ち上る入道雲はまるで山の様で別名「雲の峰」。
海水浴や虫捕りを楽しむ子どもたちには、海水浴場の波打際にたくさんの小魚がいることや、虫たちが懸命に生きていることを体感できる絶好の季節。
今年の8月7日は二十四節気の立秋。暦の上ではこの日から秋。暑中見舞いも残暑見舞いに替わる。この立秋前の約18日間が「夏の土用」。
この頃、伊勢神宮では、二見町の入浜式塩田「御塩浜(みしおはま)」で古式ゆかしい塩作りが行われる。五十鈴川河口から引き込んだ汽水を「御塩浜」で塩分の濃い「鹹水(かんすい)」に濃縮、同じく二見町にある御塩殿(みしおどの)神社の「御塩焼所(みしおやきしょ)」でその鹹水を鉄の窯で炊き込み、荒塩が作られる。10月、この荒塩を素焼きの土器で焼き固めたものが神宮の神事・祭事に欠かせない神聖な「御塩(みしお)」となる。
8月の花と言えば夏中咲く「百日紅(さるすべり)」。一方稲の花は2時間ほどしか咲かない。
早朝、五十鈴川では神様に仕える人々の禊が行われる。五十鈴川には、酸素の多い清冽な水にしか棲めない水生昆虫「ナベブタムシ」の姿も見られる。
旧盆が過ぎた8月23日は二十四節気の「処暑」。厳しい暑さも峠を越える頃。まだまだ続く残暑に涼を求めた日本人の知恵が「釣忍(つりしのぶ)」。山間の谷筋に生えるシノブというシダの仲間を苔玉のように生やし、風鈴を釣るしたもの。
風に揺れる姿や音が、山間の谷風を思わせ、暑さを一時和らげてくれる。
秋の気配は、釣忍を揺らす風に乗ってやってくる。