平井佳美(少女時代/後藤果萌)は、生まれた瞬間に「2、3日の命」と宣告されるほどの心臓病を患っていたが、奇跡的に成長し小学校の高学年になっていた。病気が原因で激しいいじめを受けていたが、通い始めた日曜学校の先輩、杉原博司(久野雅弘)らに励まされながら前向きに生き続け、一浪して私立の名門女子中学に合格する。
  一方で、複数の医師から娘の病気は不治と宣告を受けた父親の信彦(宅麻伸)と母親の京子(高橋惠子)は、娘の心臓病を治す人工心臓を自分たちで作り出そうと決意し、会社を立ち上げ研究を開始する。医学は全く専門外の夫婦だったが、彼らの熱意にうたれた医工学の教授・木村博士(平田満)と出会い、教えを受けるなどして研究に勤しんだ。しかし、人工心臓の研究には莫大な費用がかかり、当初、用意していた佳美の手術費用はすぐに底をつき、動物実験に入ったばかりの頃、断腸の思いで人工心臓の研究を断念した。しかし、今までの研究成果をなんとか生かすことが出来ないかと数々の論文を読みあさった信彦と京子は、日本人に合ったサイズの「IABPバルーンカテーテル」の開発に踏み切る。
  その間、佳美(松浦亜弥)は幸せな学園生活を送った。高校時代には同級生の松本華奈(須藤温子)を励まし、その命を救った。高校を無事卒業した佳美は両親の会社に就職する。入社式の日、新入社員に一人の男性がいた。佳美を支えつづけていた博司(中村俊太)が、一流企業の内定を蹴り、佳美の両親の会社に就職したのだ。驚く佳美に博司は「命を最優先に考えるメディカル・N・カンパニーは超一流の会社だ。だから就職を決めたんだ」と力強く語る。
同年、信彦と京子はついに「IABPバルーンカテーテル」の国産第一号の開発に成功。しかし、このカテーテルでは佳美の病気は治せなかった。そのことを苦渋の決断で話す両親に佳美は明るく「それで誰かの命が救われるわ。たくさんの命を救ってあげてね」と伝える。かたや博司は信彦に「佳美さんと結婚させてください」と申し出る。しかし、佳美の命の期限は迫っていた。