一五一会

名古屋のライバル局出身の平岡敏治氏(現ウェブ・ソーシャルメディアプランナー/ライター)が、CBCの制作番組を見て思ったことを自由に書き、約20年前の採用試験において彼を書類選考で落としたCBCに対して、ある種の御礼をするコラムである。

<コラム>『めちゃイケ』後の大久保佳代子 地元・愛知で人生の最終回を憂うを憂う

 共有する
  • Facebookで共有する
  • LINEで送る
<コラム>『めちゃイケ』後の大久保佳代子 地元・愛知で人生の最終回を憂うを憂う
【コラム:ナゴヤ東新町 一五一会】

 オアシズ・大久保佳代子さんのトークがやたらに哀しい。

 16日深夜に名古屋のCBCテレビで放送されていた『本能Z』にゲスト出演していた際の話である。

「孤独死になった時は一日使わなかったら通報される“電気ポット”がいい」

「どうやったら人に迷惑をかけずに死んでいけるか…」

 矢継ぎ早に出てくる、大久保さんのご自身の将来への不安や懸念…。

 若者が多く見ているバラエティー番組らしからぬスタジオの空気を察したのか、東野さんがスタッフの方を見やりながら絶妙な笑いに変えて軌道修正を図る。だが、その後も大久保さん曰く「残飯みたいなパスタ」を夜な夜な作って一人で食べ、酒を飲みながら“脳トレ”に励むというエピソードが続いた。

 結局、番組の中で唯一、大久保さんの表情が柔和になるのは、愛犬・パコ美ちゃんのことを話している時のみであった。

 元々、自虐トークや下ネタを得意とする大久保さん。しかし今回の番組出演の様子からは、これまでよりも切実な雰囲気というか緊迫感が伝わってきた。安直な見立てではあるが、やはり今年3月にご自身の芸人人生とともにあった『めちゃイケ』が終了したことが、少なからず影響しているように感じられてならない。

■『めちゃイケ』終了の影響とは!?

「仕事が落ち着いてきて、時間はあるから…」そう語るも、変わらず多忙であるはずの大久保さん。番組で強調していたのが、地元・愛知県でのレギュラー番組の重要性だった。

 現在、彼女はCBCテレビの『ゴゴスマ』で月曜日レギュラーとして、生放送に参加。仕事が終わるとお父様・お母様が暮らす実家に一泊しているといい、「こっち帰ってくるとホッとする」と漏らしていた。

 親の近くの地元で番組を持ちつつ、たまに呼ばれて東京へ…。将来はそんな芸能活動スタイルが理想的なのだそうだ。

“働き方”で言えば、定年退職する時期が予め分かっている会社勤めなどとは違い、テレビ番組といういつ終わりが来るのか分からない舞台が主戦場の大久保さん。

 とは言え、彼女のような第一線で活躍されている芸人さんでも、自らの将来に不安を覚えるものなのか…と、私は大変な驚きを持って受け止めた。

 全く規模が違う話で恐縮だが、私が2年前に名古屋のテレビ局から独立して、今の閃き屋兼書き屋のようなお仕事をし出してから、実はこの3月に初めてお仕事が1つ無くなった。

 奇しくも大久保さんが友近さんとともにMCを務めていた同じCBCテレビの『旅ずきんちゃん』が3月末で終了したのに伴い、当コラム<ナゴヤ東新町 一五一会>で今回の『本能Z』のような感じで書いていた、同番組についての週1本分が減ったのだった。

 極論を言えば、私が現在各社様から受注している業務は、私の意思とは関係なく全て明日にも突然無くなるかもしれないものばかり。

 初のお仕事減少で、そのあたりが実にリアルに感じられたわけだが、自分の場合、将来への不安はまったくなかった。

 それは富を持っていたり、環境に恵まれていたりするということではなく、完全に気持ちの問題。

 小学4年生の時に、36歳の父が朝元気に会社へ行き、午後になって顔に白い布をかぶせられた姿で帰宅して以降、『死』というものと幼い頃からずーっと向き合い続けてきた私。

 その結果、将来の不安について考えながら生きるよりも「今日も生きとるわー」くらいで日々過ごした方が、自分にとっては気楽だということに気付いたのである。

 特に、父親の年齢を超えてからというもの、37歳以降は全部余生だと思って過ごしているため、身に起こるたいていの出来事はどうということはない。

 番組終了発表以降、「終活」をテーマに掲げて番組をつくり、大団円を迎えた『めちゃイケ』。

 終わっちゃうけど、それまでは今できることや自分たちがやりたいことを精一杯やろう。長年番組のファンであった私にはそうした姿勢が清々しく映った。

 大久保さんは女ざかりの40代。いつか当たり前に来る人生の最終回にとらわれ過ぎず、今に力を注ぐ彼女がもっと見たいなぁと思う。



平岡敏治(ウェブ・ソーシャルメディアプランナー/ライター)(17日20:09)

最新コラム

pageup