一五一会

名古屋のライバル局出身の平岡敏治氏(現ウェブ・ソーシャルメディアプランナー/ライター)が、CBCの制作番組を見て思ったことを自由に書き、約20年前の採用試験において彼を書類選考で落としたCBCに対して、ある種の御礼をするコラムである。

<コラム>「働き方改革」で局の女子アナ存亡の危機!? あの美女集団動く

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<コラム>「働き方改革」で局の女子アナ存亡の危機!? あの美女集団動く
【コラム:ナゴヤ東新町 一五一会】

フリーの女子アナが増えた。

ここでのフリーとは、放送局の社員でない、芸能事務所に所属する立場のことだ。

以前は、東京にあるキー局の採用試験に落ちた方々は、全国の地方局に入社して捲土重来を期すパターンが多かった。だが昨今はそれよりもテレビで露出する機会や規模が大きい東京の事務所に所属して、キャリアを積んでいこうとする女子アナが増えているのだ。

29日深夜に名古屋のCBCテレビで放送されていた『本能Z』には、そんな事務所の代表格『セントフォース』の、皆藤愛子さんと新井恵理那さんが出演。現在の女子アナ事情やご苦労について語られていた。

ただ、言うても彼女たちは勝ち組中の勝ち組。

フリーの女子アナへのオファーは皆藤さんたちのような人気・実績ともにある一部の方に集中している印象で、番組としては出演者に同じお金を出すなら、まずはタレントさんや芸人さんを呼び、進行役であれば自社の女子アナで……という志向があることは否めない。

というわけで局の女子アナは多忙である。中でも、キー局よりも規模が小さいそれこそCBCテレビや、私がかつて勤めていたような地方局は、自社制作番組数のわりにアナの人数が少なく、その傾向が強いと思われる。

彼女たちの実情は、ハードなシフト勤務の会社員。担当番組の打ち合わせ、スタジオやロケ先での生放送や収録、ナレーション録りに加え、深夜や早朝のニュースに対応するため泊まり勤務をする局もある。

さらに局の顔として時には新聞や情報誌の取材も受け、新番組の制作発表や記者会見の進行を任されることも多い。パッと思いつくだけでもこれだけあるので、実際にはもっとだろう。

「いわゆる『働き方改革』について政府は今日……」

こんな感じで局アナがニュースを伝えているのを聞くと、私はいつも「皆さん方こそ大丈夫なのか……」と思う。明らかに働いている時間が多い。

では、『働き方改革』を推し進めていくと、テレビ局から女子アナがいなくなる日が来るのだろうか。特に影響を受けやすいであろう地方局の場合で、勝手に考えてみる。

地方局の生命線とも言えるローカルニュースや同情報番組は、局側からしたら“地元密着”をアピールするためにも、自社のアナウンサーをキャスターやメインMCに据えたいところだろう。実は放送エリア外の出身であろうと、テレビはカタチに重きが置かれがちだ。

また「〇〇アナと言えば□□テレビ」といった局のブランディングの観点からも局アナは重要となる。ゆえに、少なくとも短期的にはそんなことは起こり得ないと私は察している。

となると、局アナ一人一人の負担を軽くするためには、仕事を減らすか、効率化するか、人を雇うか、外部に頼むかといった選択肢が挙げられる。

仕事上、各局の方とお話をしていると、どこの局もアナはもちろん一般社員についても、特に若い世代は業務効率上、予算上、カツカツな人数だなぁという印象。

だからと言って、比較的余裕のある若くない世代で「分かった。ワイが辞めるから、その分女子アナを雇ってくれ」と言い残して会社を去るイケオヤジがいるわけでもない。

やはり長期的に見ると、最後の選択肢である“外部に頼む”、つまりフリーアナウンサーを起用するということが、今よりも増えていくのではないかと思量される。

『本能Z』に話を戻すと、『セントフォース』はその点、流石としか言いようがなかった。

皆藤さんたちの“後輩ゲスト”として、事務所に入りたての駆け出しアナウンサー2人が出演していたのだが、うち1人は京都にある同志社大学の現役生。彼女が所属しているのは、新たに立ち上げられた『セントフォース関西』だという。

フリー女子アナ界の巨人が、市場の拡大を狙って地方に初めて拠点を構えたのである。

明らかに関西地方の学生やフリー志望の局アナの受け皿となり得、また関西で実績を積み、東京進出への足掛かりを作る役割も見える。番組中でも紹介されていたように芸能事務所のスカウティング能力は高く、地方局の採用担当者にとってこの動きは大きな脅威であろう。

“自社の顔”として力を発揮してほしいテレビ局側と、本人の力次第で大きな飛躍が望めることをアピールしたい芸能事務所側。そして、どこが今あるいは将来の“自分の場”としてふさわしいのかを見極めたいアナウンサー側…。

きっと未来の女子アナ事情はこの三つ巴の押し引きの先にあるのだが、最後に、とあるマスコミ就職専門学校の方の、身もふたもない嘆き節を思い出したので、彼の一言で本稿を閉じる。

「テレビって元気ないだろ?だからアナウンサーになりたいっていう学生減っちゃって、みんな航空会社とか総合商社とか行っちゃうんだよぉ〜」



平岡敏治(ウェブ・ソーシャルメディアプランナー/ライター)(14日03:05)

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