一五一会

名古屋のライバル局出身の平岡敏治氏(現ウェブ・ソーシャルメディアプランナー/ライター)が、CBCの制作番組を見て思ったことを自由に書き、約20年前の採用試験において彼を書類選考で落としたCBCに対して、ある種の御礼をするコラムである。

<コラム>『バブリーダンス』破り全国1位…高校ダンス部とテレビ局の意識の違い

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<コラム>『バブリーダンス』破り全国1位…高校ダンス部とテレビ局の意識の違い
【コラム:ナゴヤ東新町 一五一会】

 さてさて、いつものバラエティーでも見るか…とテレビをつけたら、スポーツ番組に差しかわっていた時の衝撃は意外と大きい。

 4月末の深夜、名古屋のCBCテレビがレギュラーで放送している『本能Z』が休止で、そのかわりに同局が主催しているゴルフツアー大会の関連特番が流れていたのだった。

 向き合う物事が多いテレビ局のご苦労がしのばれる一方で、レギュラー番組視聴者の立場から言えば、単に残念。まして今は、大体のコンテンツが自分の見たい時に見られるようになったご時世だ。わざわざ、放送時間に合わせてテレビの前に座った側が受けるショックは、以前のそれよりも体感で増している気がする。

 その翌週、5月2日の深夜。

 おー、今週は無事始まったか……と思ったら、ほぼ全編が中継コーナー「本能ザLIVE」の過去の総集編だった。年末に総集編を見たばかりな気がするのだが、大丈夫かCBC(すぃーびーすぃー)。

 しかし、見ていればいいこともあるもの。年末に放送された回で、わざわざ録画を人に見せたほど素晴らしかったシーンが、番組のトップ扱いで再び放送されていたのだ。

 それは去年の日本高校ダンス部選手権で優勝した、同志社香里高校ダンス部の練習場への潜入中継。

 ダンスはずぶの素人である私でも、彼女たちの凄さは大変分かりやすくて、途轍もなく動きが早く、しかも揃っている。

「平日は夜暗くなるまで練習して、休日は朝9時から夜7時まで…」

“シンクロ率”が高い理由について、さらっとそう言い笑顔を見せた、部長を務める女子生徒。

 全国1位の部を率いる者としての覚悟と重圧がひしひしと伝わってきたが、恋愛をしてる時間なんてないのでは?というスタジオの東野さんの懸念に対しては「…ないこともないです」とはにかんだ。

 スポ根世代かつ甘酸っぱさ大好物の自分にとっては、ラピュタレベルで再放送されてもその都度見るくらいの内容であった。

 ちなみに同選手権で、この同志社香里高校に敗れて2位となったのが、登美丘高校。

 大会で披露したキレッキレの「バブリーダンス」が話題となり、その後年末には日本レコード大賞や紅白歌合戦にまで出演することとなった、あの高校だ。

 聞くところによれば、同じ大阪にあって選手権最多優勝を誇る同志社香里と、一昨年に連覇を達成した登美丘はライバル同士。

 両校を始めとする高校生たちが互いに競い合い、力を高め合った結果、高校ダンスは知らぬ間に立派な“文化”となり、ダンスを見る多くの方々の心を揺さぶるに至っていたのだなぁ、と感じ入った次第である。

 テーマ、選曲、演出、振り付け、衣装…。

 高校のダンス部員とは言え、晴れの舞台に全身全霊をもって取り組む姿勢はすでにエンターテイナーとして一流と言っていい。

 そんな彼女たちを見ていたら、少なくとも数万人の方が視聴するであろう地上波テレビ番組の放送1回分を、ほぼ過去の総集編で埋めてしまうということの“もったいなさ”が際立った。

 ゴールデンウィークのこの機会に、放送を見逃してしまっていた皆様に向けて再度放送しよう、あるいは、番組を知らない皆様に魅力を的確にまとめて伝えよう…。エンターテイメントの一角を担うテレビマンによる、そうした視聴者のための判断だったと信じたい。


平岡敏治(ウェブ・ソーシャルメディアプランナー/ライター)(3日16:25)

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