一五一会

名古屋のライバル局出身の平岡敏治氏(現ウェブ・ソーシャルメディアプランナー/ライター)が、CBCの制作番組を見て思ったことを自由に書き、約20年前の採用試験において彼を書類選考で落としたCBCに対して、ある種の御礼をするコラムである。

<コラム>すっぴんは「究極のコスプレ」…男子を妄想・幻影へといざなうその闇力

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<コラム>すっぴんは「究極のコスプレ」…男子を妄想・幻影へといざなうその闇力
【コラム:ナゴヤ東新町 一五一会】

ついに堂々とガールズバーに行くチャンスが到来した。

仕事だ。

目的はその現状視察であり、得られた知見や情報は当コラムの執筆材料となり、こうして成果物となる。適切な滞在時間と出費であれば、胸を張って来年の確定申告で“経費”として計上できるはずだ。

しかし、私はこの千載一遇のチャンスを棒に振った。初対面の人と話すのが苦手というディスコミな自分が憎い。

そんな高嶺の花・ガールズバーの変種とでも言うべき店が登場しているのを、28日深夜に名古屋のCBCテレビで放送されていた『本能Z』で知った。

“すっぴんカフェバー”なるものである。

番組によれば、すっぴん女子スタッフとの会話を楽しめるバーであり、スタッフは20代の大学生や専門学校生が中心。どこにでもいる普通の女の子と気軽に話せるリアルさ、というのが店のコンセプトらしい。

初めて聞いたが、そのお店の系列では東京・大阪・札幌に3店舗あるとのこと。私の地元・名古屋にないのはいつものアレだ。

「何かそれ違うねんなー」

中継先であるすっぴんカフェバーに、それまで興味津々だったスタジオの東野さんが突如首を傾げた。

女子スタッフの方が「家からすっぴんのまま出勤している」と明かした直後のことである。

続いて東野さんは次のように持論を展開した。

「普段メイクしている人がこの店で働く時にすっぴんになるから、我々もその代わりにお金を払おうとすんのよ。家からすっぴんで来られて、すっぴんでやられても、ただのすっぴんの奴やん」

これにフットボールアワーの後藤さんも深く頷き「電車で見られるわけですよ!」と先輩の主張を補足。

番組を見ていて、思いがけない考え方に一瞬ポカーンとなった。

私はこのすっぴんカフェバーが、単にあまり見かけないノーメイクの女子と話せることがウリだと感じていたからだ。スタジオの今田さんとフット岩尾さんも同じお考えのようだった。

両者の違いをまとめると次のようになる。

東野さん:すっぴん自体に価値を感じず「相手が、普段見せない姿を見せてくれている」ということが重要

今田さん:すっぴん自体に価値を感じ「自分が、普段見られない相手の姿を見ている」ということが重要

価値のベースが、東野さんの場合は相手にあり、逆に今田さんの場合は自分にあるのだ。

では、その“相手”にとって、すっぴんというのはどのようなことなのか。多くのオトナ女子が、人前に晒す自分の顔には化粧を施しているという一般的な前提に立って、40代男子なりに考察してみる。

今回の“すっぴんカフェバー”や、女性芸能人が“ナチュラルとあざとさのハイブリッド芸”として自らのSNS等で行うすっぴん公開のような、誰かに見せるためのすっぴん。

これらは、実は“究極のコスプレ”なのではないか。

凝ったメイクや衣装などによって普段と違う自分を見せる手段は星の数ほどあるが、それらは自分以外の人も行うことができる。

しかし、普段と違う“素の自分”を見せることは、その人にしかできないからだ。

その結果としての“すっぴんパワー”に分かりやすくやられてしまう男子が意外と多く、今回番組で紹介されたようなお店が繁盛しているのではないかと私はみている。

来店したお客さんはそれぞれ、すっぴん女子たちが醸す特別感を、東野さんのように彼女たちを主語にすることで満喫したり、今田さんのように自分を主語にして楽しんだり、あるいは両者が想像もできないような革新的な解釈で以て、会話に興じていたりするのかもしれない。

結局のところ、フット後藤さんが番組中、自虐的におっしゃっていたことが、事の本質な気がする。

「オトコは、バカですなぁ……」

平岡敏治(ウェブ・ソーシャルメディアプランナー/ライター)(14日03:05)

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