大人でも発症する意外なアレルギー

2022年3月27日(日)放送 【第500回】
大人でも発症する意外なアレルギー

サマリーSummary

ゲスト:村上佳菜子
ドクター:国立病院機構相模原病院臨床研究センター 臨床研究センター長 医学博士 海老澤元宏
実は、日本人の2人に1人は、何らかのアレルギーを持っているといわれています。さらに、今アレルギーがない人でも、今後発症する可能性があるのだとか。そこで今回は、大人でも発症する意外なアレルギーについて、専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。

今回のテーマは「~今アレルギーじゃない人も要注意!~大人でも発症する意外なアレルギー

実は、日本人の2人に1人は、何らかのアレルギーを持っているといわれています。さらに、今アレルギーがない人でも、今後発症する可能性があるのだとか。そこで今回は、大人でも発症する意外なアレルギーについて、専門医に教えてもらいました。

アレルギーの基礎知識

<アレルギーはどうして起こる?>
私たちの身体には免疫の仕組みがあり、ウイルスや細菌などの異物が体内に侵入すると、
抗体を作って身体を守ろうとします。しかし、この免疫の仕組みが身体に有害ではないものに対しても過剰に反応してしまい、辛い症状を引き起こしてしまうのがアレルギーなのだとか。先生によると、アレルギーは大人になってから発症する事も十分にあり得るそうです。

<アレルギーの原因を調べる方法>
アレルギーの原因となる物質を、アレルゲンといいます。アレルゲンが体内に入ってくると、身体では有害な物質が侵入したと判断し、IgE抗体というタンパク質が作られます。このIgE抗体は、スギやダニなど、それぞれのアレルゲンに対して固有のものが作られ、抗体が多いほど、身体にアレルギー症状が現れる可能性が高くなるのだとか。そのため、血液を採取しIgE抗体検査を行うことで、何にどれくらい反応しているのかがわかるそうです。IgE抗体検査が受けられるのは、アレルギー専門病院や内科、皮膚科など。200種類近くを調べる事が可能で、そのうち樹木や植物、動物、植物など13項目までなら保険適用で調べる事ができるそうです。(※詳しくはかかりつけの医師にご相談ください)

<大人のアレルギーについて>
先生によると、大人のアレルギーは同じ食物を食べた時でも体調によって症状が出たり出なかったりするのが特徴。疲れ・睡眠不足・体調不良などの時に症状が現れやすいのだとか。また、女性の場合は妊娠・出産によりホルモンの状況が変わる事でアレルギーを発症する人もいるそうです。気になる症状がある場合は、自分で判断せず病院で原因を調べましょう。

大人の意外なアレルギー(1)花粉症がキッカケ?「花粉・植物アレルギー症候群」

花粉・食物アレルギー症候群とは、花粉症が原因で発症する食物アレルギー。花粉と果物の成分が似ているため、身体に入ってきた時に勘違いしてアレルギー症状が現れるのだとか。例えば、ハンノキ花粉症の場合、バラ科の果物(桃・リンゴ・イチゴ・サクランボ)や大豆を食べると口の中や喉にかゆみが現れる事があるそうです。また、イネ科やブタクサ花粉症の方は、メロンやスイカに要注意。花粉・食物アレルギー症候群は、生で果物を食べた場合に出るそうなので、加熱処理をすれば食べられる事が多いそうです。

<スギ花粉症ではなくハンノキ花粉症かも!?>
ハンノキ花粉の飛散時期は、スギ花粉とほぼ同じ1~6月頃。そのため、スギ花粉症と思っている方の中でバラ科の果物を食べてアレルギー症状が現れる場合は、ハンノキ花粉症の可能性があるそうです。また、ダニと甲殻類も成分が近いので、甲殻類アレルギーがある人は、ダニアレルギーが引き金になっている場合が考えられるそうです。

大人の意外なアレルギー(2)長引く鼻炎の原因!?「ダニアレルギー」

先生によると、1年間を通して鼻炎の症状が続いている場合は、ダニアレルギーによるアレルギー性鼻炎の可能性が高いとの事。ダニは、家の中の埃に含まれているので、朝起きて毎回くしゃみや鼻水が出る場合はダニが原因となっている可能性が考えられるそうです。

<ダニアレルギーの治療法「アレルゲン免疫療法」>
アレルゲン免疫療法とは、原因のアレルゲンを身体に少量ずつ入れてアレルギー反応が起きないようにする治療法。舌下で溶かす錠剤でも治療でき、2~3年毎日続ける事で効果が期待できるそうです。(※現在はスギ花粉とダニアレルギーが対象)

大人の意外なアレルギー(3)重症化する危険も!「小麦アレルギー」

先生によると、大人の小麦アレルギーは、食物だけでなく体調が悪い時や疲れている時など、もう1つ因子が加わる事で症状が出やすくなるとの事。また、アルコールやお風呂など身体が温まって血行が良くなった時もアレルギー症状が出やすくなるそうです。

<食物依存性運動誘発アナフィラキシーに注意!>
食物依存性運動誘発アナフィラキシーとは、アレルゲンとなる食品を食べた後に運動をすると、比較的重い症状が現れる食物アレルギーの事。小麦や甲殻類などで発症することが多く、重症化すると呼吸困難などの症状を引き起こす場合もあるので注意が必要です。

大人の意外なアレルギー(4)魚介アレルギーと勘違いしやすい「アニサキスアレルギー」

先生曰く、魚介類をよく食べる人に見られるのが「アニサキスアレルギー」。アニサキスとは魚介類にいる寄生虫で、アニサキスの抗体を持っている人が寄生した魚を食べると発疹やかゆみなどのアレルギー症状が現れるのだとか。アニサキスが死んでもアレルゲンは残るため、大人の場合魚介アレルギーよりも頻度が高いそうです。

<ヒスタミン中毒にも注意!>
アニサキスアレルギー以外で、魚介アレルギーと勘違いされやすいのが「ヒスタミン中毒」です。ヒスタミンとは、魚類に含まれるアミノ酸に細菌の酵素が作用して生まれる化学物質。ヒスタミンが蓄積された魚類を食べる事で、頭痛・じんましん・腹痛などの症状が出るのだとか。ヒスタミンはサバなどの青魚に多く、症状がアレルギーに似ているため、魚介アレルギーと勘違いされやすいそうです。先生曰く、ヒスタミン中毒は、いわば食中毒。魚を常温で放置するとヒスタミンが増殖しやすいので、購入したら速やかに冷蔵庫や冷凍庫で保管すると良いそうです。

大人の意外なアレルギー(5)健康被害が増えている!?「ナッツアレルギー」

先生によると、自然食ブームなどの影響で近年くるみとカシューナッツを中心にした「ナッツアレルギー」で健康被害が増えているとの事。ナッツアレルギーは、皮膚への症状だけでなく、呼吸困難などの重い症状を引き起こす事があるため注意が必要だそうです。

(2022年3月27日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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