夏の虫刺され対策2022

2022年7月3日(日)放送 【第513回】
夏の虫刺され対策2022

サマリーSummary

ゲスト:近藤春菜(ハリセンボン)
ドクター:兵庫医科大学 皮膚科学 教授 医学博士 夏秋優
今年もやってきた「蚊」の季節。虫に刺されると腫れたりかゆくなったりしますが、なかには感染症を引き起こしたり、最悪の場合命を落としたりするような危険な虫もいるのだとか。そこで今回のテーマは「夏の虫刺され対策2022」。虫刺され研究のエキスパートに、虫刺されの予防法や刺された時の対処法などを教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。

今回のテーマは「~侮れば命の危険も!?~夏の虫刺され対策2022

今年もやってきた「蚊」の季節。虫に刺されると腫れたりかゆくなったりしますが、なかには感染症を引き起こしたり、最悪の場合命を落としたりするような危険な虫もいるのだとか。そこで今回のテーマは「夏の虫刺され対策2022」。虫刺され研究のエキスパートに、虫刺されの予防法や刺された時の対処法などを教えてもらいました。

夏の虫刺され対策(1)「蚊」

<蚊にさされやすい人の特徴>
・体温が高い人
蚊は、触覚と口吻と呼ばれる器官を使って温度を感じ取り吸血源を探しているそうです。そのため、普段から体温が高い人や、運動後や飲酒後で体温が上がっている場合なども蚊が寄ってきやすくなるそうです。

・汗をかいている人
汗に含まれる「乳酸」「アンモニア」「オクテノール」という成分に蚊がよく引き寄せられる事がわかっており、蚊が寄り付く原因になるそうです。

・濃い色の服を着ている人
蚊は、濃い色に寄って来やすいという習性があるのだとか。そのため、黒や赤などの濃い色の服を着ていると蚊が寄り付く原因になるそうです。

<すぐ腫れて痒くなる人とならない人の差は?>
蚊に刺されて痒くなるのは、吸血する際に血が固まらないよう皮膚の中に出す蚊の唾液へのアレルギー反応。その際、痒くなって腫れる反応がすぐ出るか出ないかは、人生で蚊に刺された回数によって変化していくのだとか。例えば、生まれてすぐの新生児期は蚊に刺された経験がほとんどないため、アレルギー反応は出ず腫れもしません。その後、蚊に刺された回数が増えるにつれ、数日後に症状が出る「遅延型」、すぐに症状が出る「即時型」と変化し、高齢期になるとまた無反応になるそうです。

<蚊に刺された時の対処法>
先生によると、蚊に刺された時は掻かないようにするのが大切との事。保冷剤などで冷やすと痒みが和らぐのでオススメだそうです。また、蚊に刺されないためには市販の虫除けスプレーを使うのが効果的。吹き付けた後にムラがないよう手で伸ばすとさらに有効だそうです。

夏の虫刺され対策(2)「ハチ」

<これからの時期はハチの活動が活発に>
ハチは、日本で最も人の命を奪っているといわれています。なかでも、最も危険なのはスズメバチ。7月頃から活発に動き出し、その繁殖数は9月頃にピークを迎えます。それに伴い被害も増加するのでこれからの時期は特に注意が必要なのだとか。ハチは、木の隙間に巣をよく作るので、庭仕事をしている時に突然襲ってくる事もよくあるそうです。

<一度ハチに刺された事がある人は要注意>
ハチに1度刺された人は、次に刺された時に非常に強いアレルギー反応を起こす恐れがあるといいます。最悪の場合、アナフィラキーショックといって、意識がなくなり命を落とす危険もあるそうです。

<ハチに刺されないための対策法>
(1)黒い服を着ない
ハチのなかでも特にスズメバチは、黒い色に寄ってくる性質があるそうです。黒い髪にも寄ってくるので、帽子を被る事も大事なのだとか。ハチを避けるには、白色の洋服や帽子がオススメだそうです。

(2)野外で甘いものを飲むのは控える
ハチは、甘いものに寄ってくる性質があるそうです。実際に屋外で飲みかけの缶ジュースなどを置いていると、ハチが缶の中に入り込み、再び飲もうと口を近づけた時に唇を刺されるという事例などもあるそうです。

(3)香水・整髪料をつけない
香水や整髪料に含まれる香料がハチを刺激するため、より攻撃的になってしまうそうです。

(4)虫除けスプレーに頼らない
虫除けスプレーは、蚊やブユなどの吸血性の虫に対しては忌避効果がありますがハチには効果がないそうです。

<もしもハチに刺されたら…>
ハチに刺された場合は、保冷剤などで冷やし安静にしましょう。ハチに刺されるのが2回目の場合は、即座に救急車を呼び対処してもらう事が大切だそうです。

夏の虫刺され対策(3)「マダニ」

<コロナ禍に急増!?マダニによる被害>
マダニは、家の中にいるイエダニとは異なり、サイズが大きく目視できるダニです。近年、シカやイノシシの増加に伴い生息地が拡大。コロナ禍で野外レジャーがブームになり、被害件数も増加しているのだとか。マダニが引き起こす「日本紅斑熱」という感染症も増えているそうです。

<刺されても気付かない事も…>
マダニの唯一の栄養源は、動物の血。一度張り付くと1~2週間かけて吸血し、倍のサイズに大きくなります。満腹になると自らはがれ落ち、その後患部に赤みや痒みが出る事があるのだとか。刺す時に、麻酔のような物質を出すので刺されても気付かない事が多いそうです。

<命をも脅かす!?マダニが持つウイルス>
マダニに刺されると、稀に「重症熱性血小板減少症候群(通称「SFTS」)」という感染症を引き起こす恐れがあるそうです。SFTSは、数パーセント以下の確率でマダニが持っているウイルス。刺されて1~2週間ぐらいの間に発熱や激しい腹痛・下痢などの症状が現れ、白血球や血小板といわれる血球成分が減っていき、命を落とす事もある恐ろしい病気なのだとか。毎年全国で被害が報告されており、数名が命を落としているそうです。

<マダニに刺されないための対策法>
・肌の露出を減らす
マダニは、自然の多い場所、特にシカやイノシシなどの野生動物がいる場所によくいるのだとか。そのため、山などに行く際は長袖・長ズボンをはいて肌をむやみに露出させない事が大事だそうです。

・虫除けスプレーを塗る
虫除けスプレーを満遍なくしっかり塗る事も大事だそうです。マダニは足元から上がってくる事が多いそうなので、靴や靴下などにもしっかり噴霧すると良いとの事です。

<もしもマダニに刺されたら…>
マダニに刺された時は、身体についているマダニをむやみに自分で取らず、皮膚科に行って取ってもらいましょう。無理に引っ張ると皮膚の中にマダニの一部が残ってしまう事があり、その場合は残った部分を取り除くために、麻酔をしてから皮膚ごと切除しなくてはいけないそうです。また、急な発熱や腹痛、下痢などの症状が出た場合は、感染症を専門にしている内科を受診してください。マダニに刺されたと告げる事で早く正しい治療が受けられるそうです。

(2022年7月3日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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