実は怖い!春の感染症 ドクターが教える!予防4原則

2020年3月22日(日)放送 【第398回】
実は怖い!春の感染症 ドクターが教える!予防4原則

サマリーSummary

ゲンキスチューデント:馬場ももこ
ゲンキリサーチャー:中村昌也
ドクター:時松一成
さまざまな経路で広がる恐ろしい病気「感染症」。今回は、これからの季節に気をつけたい感染症を徹底リサーチ。新型コロナウイルス対策にも効果的な「正しい感染症予防法」もご紹介します。

春に気をつけたい感染症①大人にも増えている!?「溶連菌感染症」

<溶連菌感染症について>
溶連菌が主に喉の扁桃腺に感染し、喉の腫れや痛み、38℃以上の高熱などの症状を起こします。一年を通してかかる恐れがありますが、特に冬と春がピーク。これからの時期は注意が必要です。溶連菌感染症にかかるのは、多くが5歳以下の子どもです。しかし、免疫力が低下すると、大人がかかるケースも少なくありません。正しく対処しないと、肺炎や腎炎などの重い合併症を起こす事があります。生活習慣の乱れに気をつけましょう。また、稀に「激症型溶連菌感染症」といって、溶連菌が何らかの原因で変異し凶悪化。壊死や皮下出血などを起こし、死に至るケースもあります。

<溶連菌の感染経路>
大人が溶連菌感染症にかかる原因の多くは、子どもからの感染です。しかし、他にも以下の感染経路があります。

・飛沫感染
感染者の咳やくしゃみで飛ぶ、菌を含んだ唾液などのしぶきを吸い込む事で感染します。

・接触感染
電車のつり革やドアノブなど、菌がついた物に触れた手で鼻や口の周りを触る事で感染します。

新型コロナウイルス対策にも!正しい感染症予防法

溶連菌だけでなく、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの呼吸器系の感染症予防には4つの原則があります。それが、手洗い・うがい・マスク・人混みを避ける事。基本的な事ですが、新型コロナウイルスの影響で、それらへの意識が高まった今年は、インフルエンザの発症率が昨年よりも下がったという報告があります。普段から心がけましょう。

<正しい手の洗い方>
▼水で濡らした手に石鹸をつけてあわ立て、手のひら・手の甲を洗う
▼指先・爪の間を手のひらでこする
▼指を組むようにして指の間をこする
▼親指を反対の手で握り、ねじるようにこする
▼手首を洗う
▼石鹸を水でよく洗い流し、水分を拭き取り乾かす

<手洗いの注意点>
・指輪や腕時計は外す
 指輪や腕時計などの隙間は汚れや菌が残りやすくなっています
・30秒ほどかけてしっかり洗う
 指のシワや隙間など、細かいところまで泡を行き渡らせます
・水分を拭き取りしっかり洗う
 手が濡れたままだと、菌が付着・増殖する恐れがあります

春に気をつけたい感染症② 驚異の感染力!「ロタウイルス」

<ロタウイルスついて>
春に起こる「感染性胃腸炎」のおよそ半数はロタウイルスが原因と言われています。症状は、高熱、吐き気、下痢など。感染者の便には非常に多くのウイルスがおり、その数は、症状が似ているノロウイルスの約100万倍。しかも、感染力が強いのでたった10個のウイルスが体内に入るだけで感染する恐れがあります。

<ロタウイルスの感染経路>
ロタウイルスの主な感染経路は、経口感染。手や食べ物を介してウイルスが口から入り感染します。

<感染拡大の落とし穴は“トイレ”>
感染を防ぐために気をつけたいのが、トイレ。特にペーパーホルダーやレバーなど、手の触れるところにはウイルスが付着している可能性があります。また、トイレのフタを閉めずに流すと、便器から離れた場所にも水しぶきが飛び散ってしまいます。小さな水滴1粒にも数万個のロタウイルスが含まれている可能性があるため、自分がロタウイルスにかかった場合は、トイレのフタを閉めて流しましょう。

<感染を防ぐ掃除のポイント>
ロタウイルスは、アルコールに対して抵抗力があります。アルコールが効きにくいウイルスには、塩素系の漂白剤を薄めた物が効果的。普段のお掃除に使う場合は、2Lの水にペットボトルのキャップ2杯分の漂白剤を混ぜて使用しましょう(※手袋やエプロンなどを着用し換気しながらご使用ください。また他の洗剤と混ぜないでください。)

春に気をつけたい感染症③身近に潜む恐怖!「マダニが運ぶ感染症」

<マダニが運ぶ感染症について>
マダニは、3mm~1cmほどの大きさで、肉眼でも見えるサイズ。山などの自然に生息し、人間や動物に咬みついて血を吸う習性があります。中にはウイルスを持つマダニもおり、咬みついた時に人に感染してしまいます。マダニが運ぶウイルスはいくつかありますが、近年医学界が注目しているのが「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」。発熱・下痢・嘔吐・内出血などの症状のほか、意識障害や言語障害などの神経症状を起こし、最悪の場合死に至る事もあります。

<自然と触れ合う際には要注意>
SFTSの対策として、何より大切なのはマダニに咬まれない事。自然と触れ合う際には、徹底した対策を行う事が大切です。長袖長ズボンを着用し、袖口は輪ゴムで止め、マダニの侵入を防ぎましょう。虫除けスプレーも有効です。

<もしもマダニに咬まれたら>
万が一マダニに咬まれたら、すぐに病院を受診しましょう。無理に自分でマダニを外そうとすると、マダニの一部が体内に残り、化膿する恐れがあります。

春に気を付けたい感染症④ 花粉症対策に落とし穴!?「レジオネラ症」

<レジオネラ症について>
レジオネラ症とは、レジオネラ菌が呼吸器に感染し、命にも関わる重い肺炎を起こす感染症です。レジオネラ菌は、水や土の中に生息するどこにいでもいるありふれた菌。特にぬめりなど汚れの中で増殖します。

<加湿器の汚れがレジオネラ菌増殖の原因に!?>
この時期花粉症対策として用いられる事の多い加湿器ですが、水の注ぎ足しを長期間続けていると、タンクが汚れて、レジオネラ菌が増殖する恐れがあります。万が一タンク内でレジオネラ菌が増殖すると、水の粒子とともに舞い上がる菌を吸い込む事で感染の原因となってしまうのです。そのため、加湿器を使う際は毎回タンクを洗い、よく乾燥させて使いましょう。清潔にして正しく使えば、花粉症対策としてはもちろん感染症予防にも効果が期待できます。

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