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健康カプセル!ゲンキの時間

毎週日曜 あさ7:00

CBCテレビ製作/TBS系28局ネット

朝からヘルスシェア

出演
石丸幹二
坂下千里子

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第346回(2019.3.3)

耳

ゲスト:松崎しげる
ゲンキスチューデント:滝裕可里
ゲンキリサーチャー:深沢邦之
ドクター:山岨達也

何度も聞き返す。テレビの音量が大きい。声が大きい。こうした耳の衰えに心当たりはありませんか?実は、これらは全て加齢による難聴のサイン。現在、日本で難聴の人は推計で約1500万人と言われています。これは、なんと全人口の11%以上。耳が遠くなると、コミュニケーションが取りづらくなるだけでなく、外出先での危険もあります。さらに、難聴になるとうつ病や認知症になるリスクも高めてしまうのです。そこで今回は、難聴に備えた耳より情報をお届けします。

加齢性難聴について

加齢性難聴とは、いわゆる年をとって耳が遠くなってしまう事。50歳頃から始まり、65歳以降で急増します。

・加齢性難聴の原因
耳は音をとらえると、鼓膜で音の振動を増幅させ「蝸牛(かぎゅう)」と呼ばれる場所で電気信号に変換し、脳へと伝えます。その蝸牛の中には、まるで毛のような有毛細胞があり、それらが伸縮する事で音を電気信号へ変換しているのです。ところが、年をとると有毛細胞が壊れて抜け落ちてしまいます。これが、加齢性難聴の原因となります。

・加齢性難聴で起こる聞き間違い
有毛細胞は、蝸牛の入口に近い高い音をとらえる部分から壊れていきます。そのため、年をとると、体温計の電子音など小さくて高い音から聞き取りづらくなっていきます。人の声の場合、母音は低音なので比較的聞き取れる一方、子音は高い音が多く、特に「か行」「さ行」「た行」などは聞き取りづらくなります。例えば、「高菜」を「魚」。「白い」を「広い」などと聞き間違えてしまう事があるそうです。

・加齢性難聴が認知症のリスクを高める
アメリカの研究で、耳が良い人と悪い人の認知症リスクを比較すると、中程度の難聴の人は3倍。重度の人はおよそ5倍も認知症になりやすい事が分かりました。この結果を招いた理由の一つが、脳への刺激が低下する事。聴覚を司る側頭葉は、記憶とも深い関連があります。そのため、難聴になると側頭葉があまり刺激されず記憶力が低下。認知症になりやすくなると考えられています。また、難聴によって日々の会話が減ってしまう事も原因の一つです。そして、加齢性難聴が認知症のリスクを高める最大の理由が、社会的孤立。人とのコミュニケーションが極端に減る事で、脳への刺激が少なくなってしまいます。

・加齢性難聴を早める原因
若い頃から大きな音を継続的に聞いていると、早めに難聴になると考えられています。他にも、運動不足や偏った食事、喫煙、過度な飲酒など、いわゆる生活習慣病を招くものは加齢性難聴を早めてしまう要因となります。

難聴を克服できる最新技術

難聴を克服し、生活を劇的に変えてくれるのが、補聴器です。現在は、小型で目立たないものも多く販売されています。ただし、購入には注意が必要。購入の際は、まず補聴器相談医のいる耳鼻咽喉科を受診し、聴力を詳しく検査してもらいましょう。その結果をもとに、紹介された認定補聴器専門店で聞こえにくい周波数をより強めます。さらに、趣味やライフスタイルに合わせて調整してもらう事で、自分の耳にあった補聴器が作れます。誰にでも起こりうる加齢性難聴。認知症の予防のためにも、補聴器を活用して健康寿命をのばしましょう。

年齢・性別関係なし 突然聴力を失う「突発性難聴」

突発性難聴とは、ある日突然片耳の聴力が低下する病気。年齢・性別に関係なく発症します。原因は、完全に解明されていませんが、ウイルス感染や、ストレスが影響していると考えられています。この時、耳の中では音をとらえる「有毛細胞」が次々と壊れている状態。治療が遅れるとその範囲が広がり、聴力が著しく低下。完治の可能性が低くなります。また、発症者数は、年間推定約7万5千人とも言われています。

・早期治療が何より重要
突発性難聴は、早期の治療が何より重要です。片耳に異変を感じたら、直ちに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

<突発性難聴の特徴>
・突然、片耳が全く聞こえなくなる。または、聞こえが悪くなる
・難聴に加え、耳鳴りやめまいを伴う場合がある

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