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第2回調査報道大賞で「偽りのアサリ~追跡1000日 産地偽装の闇~」が優秀賞を受賞!

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7/25(月)すぐれた調査報道を表彰する「調査報道大賞」の第2回授賞作品が発表され、CBCテレビの3年に及ぶ調査報道で明らかになった“熊本産”アサリの産地偽装の実態を報道した、「偽りのアサリ~追跡1000日 産地偽装の闇~」(制作:松本年弘、吉田駿平、吉田翔)が「優秀賞」を受賞しました。

■「偽りのアサリ~追跡1000日 産地偽装の闇~」2022年3月放送

国内では、アサリ漁獲量全国トップは愛知県。2位は北海道。
しかし、スーパーを回ってみると、漁獲量が極めて少ないはずの“熊本産”アサリが安く、大量に流通していた。関係者への取材を重ねる中で、輸入アサリを日本の干潟に放つ「畜養」と呼ばれる行為が産地偽装に深く関係していることを知った。有明海で張り込みを続け、2019年にその一部始終をカメラに収めることができた。食品表示ルールでは、2か所以上で育てた場合、成育期間が最も長い場所が産地となる。業者たちは輸入元より長く熊本で畜養したと主張していたが、その実態は干潟に撒いて1週間程度で回収する「仮置き」だと判明した。当初は取材に難色を示していたが、長年続いてきた偽装を断ち切りたいとの思いから実名・顔出しでの告発を決心してくれた。
2022年1月の「JNN報道特集」で「“熊本産”アサリ産地偽装の実態」を伝えると、各所で波紋が広がった。熊本県は2月8日から2か月間、熊本産アサリを出荷停止するという、異例の措置を取った。
農水省は「熊本県産アサリの97%に外国産が混入している可能性が高い」と発表した。
その結果、全国のスーパーから“熊本産”アサリが消えた…だけでなく、アサリそのものを扱わなくなったスーパーが続出した。パックの中身はこれまでと全く同じアサリにもかかわらず、“熊本産”の表記を”中国産”に変えると、急にアサリが売れなくなった。取材班は産地偽装していたアサリ業者の言葉を思い出す。「産地偽装をしないと売れないから…」この番組は「偽りのアサリ」を追い続けた1000日の記録。そこから見えてきたのは、行政、業者、スーパー、消費者が複雑に絡み合ったニッポンの食の闇だった。


<授賞理由>
3年に及ぶ調査報道により、「熊本産」として販売されるアサリの産地偽装の実態を明らかにした。輸入アサリを日本の干潟に放つ「畜養」と呼ばれる行為を撮影した生々しい動画や証言者の映像は放送メディアならでは表現でインパクトをもたらした。また地方メディアによる地道な取材が、全国で大きな反響をおこし、ローカル放送局における調査報道の重要性を示した。


<受賞者コメント>
愛知県豊橋市の駐在だった吉田駿平記者が3年以上前に漁業関係者から「輸入アサリが熊本産に偽装されている」という情報を得たことが取材のきっかけでした。
吉田記者は2021年夏に営業部に異動しましたが、諦めることなく、休日に関係者と交渉を続け、不正の当事者の取材に成功。その後は後輩の吉田翔記者が引継ぎ、今回の報道が実現しました。
記者個人の熱量が調査報道の最大の原動力だと改めて感じています。優秀賞を頂戴し、誠に光栄です。


<出演>
スタジオ出演 大石 邦彦(CBCアナウンサー)
ナレーション 石井 亮次


<制作>CBCテレビ・報道部
プロデューサー 松本 年弘
取材      吉田 駿平  吉田 翔

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