内容

 万年平社員の小田一夫は、長良川鵜飼の接待の席で誤って川に転落、川底で天下布武の朱印がポケットに紛れ込んでしまったことが元で、織田信長に憑依されてしまう。
いつもは気弱な父親が、ある朝「無礼者!」と、娘を切りつけんとばかりに一喝。
しかし、この男の家族には、目に見えない様々な問題が…介護問題、主婦の孤独、子供のSNS依存など、信長は現代社会における家族の闇に直面する。
一方、信長に憑依された一夫が働く地場の建設会社では、大きなプロジェクトが進んでいた。
しかし、大手ゼネコンがコンペ参加を表明し、瀬戸際に追い込まれた状況の中、信長は持ち前の戦術眼で、起死回生を図る。
憑依されたことにより、家庭や仕事場をひっかき回されてしまう一夫。
憑依されているときの一切の記憶はない。

絶対的な影響力を持つ信長の力で、家族の様子や、会社での扱いが変わっていっても、彼には何のことやらさっぱりわからない。
しかし、信長にも弱点が…。
信長は“本能寺の変”で焼死したと言われるだけに“火”が苦手。
現代でも火を見た瞬間、一夫の身体から抜け出してしまうのだ。
しかし時すでに遅し。
一夫が我に返った時には、事態は大きく変わってしまっているのであった…
混乱の日々を過ごす一夫だったが、信長のおかげで徐々に自分の存在感が高まっていくことを実感。
また自分に何が足りなかったのかを気付かされ、人として、父としての強さを信長から学んでいく。
信長によって変貌していく一夫は、プロジェクトを成功に導くことができるのか!?
そして、問題だらけの家族に、絆を取り戻すことができるのか!?
一方、信長は…

予告

相関図

*横にスワイプしてご覧ください

年表

参考:岐阜市信長公450プロジェクトホームページ

信長の意外な一面

「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」という句にも表されているように、
“織田信長”というと、どうしても「残忍」「無慈悲」「独裁的」など、
なんとなく怖い人で、近寄りがたい人物というイメージを持つ方が多いのでは?
しかし・・・信長にもてなされた宣教師ルイス・フロイスによる述懐や、
今も残る信長の資料などを見てみると、そこには“意外とお茶目な”信長の姿が・・・

信長は “下戸”だった!?
さらに “スイーツ男子”な一面も!?

信長といえば、浅井長政を攻め滅ぼした際、浅井長政らのドクロを前に酒を飲んだという逸話があるほど、無慈悲で残忍なイメージが強い。しかし、宣教師ルイス・フロイスの記録によれば、信長は「酒を飲まず、食を節し」という人物だったらしい。
さらに、フロイスが献上した「金平糖」が大のお気に入りだったとか。

女性への “心遣い”も一級品!?

まだ女性の地位が確立されていなかった時代に、女性を随分と大事にしていたエピソードが。当時、信長の家臣であった羽柴(のちの豊臣)秀吉と妻・寧々が夫婦喧嘩をした際、わざわざ寧々に手紙を送り、喧嘩を仲裁した。その手紙には「あなたは美人でできた妻なのだから、余裕をもってハゲネズミ(秀吉)を見ていなさい」という、寧々を褒めちぎる内容が書かれていた。

戦国最強武将は
“おもてなし”上手
だった!?

信長が岐阜の地で行ったのは「戦い」ではなく、文化の力で有力者たちを迎える、手厚い「おもてなし」。山麓の巨大庭園を持つ迎賓館や、山上の城郭、そして金華山や長良川の美しい自然環境や眺望を活かした岐阜の各所で、自らが案内や給仕を行ったのだとか。
武田信玄の使者・秋山伯耆守、京都の公家・山科言継、堺の茶人であり商人・津田宗及、そしてイエズス会宣教師のルイス・フロイスやフランシスコ・カブラルなど、多くの有力者が信長公からのおもてなしを受けたそう。
そして、城下町のもてなしといえば、岐阜の「長良川鵜飼」。信長は鵜飼に文化的価値を見出し、手厚く保護。鵜飼文化は今も岐阜の地に息づいている。

出演者

小田一夫/田辺誠一

中堅建設会社「美濃建材」に勤めるサラリーマンで営業課の平社員。優柔不断で、リーダーシップもさっぱり…
後輩社員にも出世で追い抜かれ、部下からは「あぁはなりたくない」とまで言われる始末。
一方、家庭でも、父親としての威厳などさっぱりなく、妻や娘からはぞんざいに扱われる一夫。
しかし、その物腰の低さから、彼を嫌う人もいない…
そんな折に「美濃建材」に舞い込んできた、岐阜市への巨大ショッピングパーク誘致というビッグプロジェクト!
大手ゼネコンなど、大企業も誘致に手を挙げるなど、競合ひしめく中、信長に憑依された一夫が打った一手とは!?

織田信長/竹中直人

本能寺の変で明智光秀に暗殺された。
しかし、信長の魂は、彼が天下統一を目指し、自らの印として用いていた「天下布武」の朱印に宿っていた…
平凡なサラリーマン一夫がひょんなことからその朱印を手にしたことにより、信長は魂だけが蘇る。
一夫に憑依した信長は、働く建設会社の仕事に関わるようになる。
一夫に憑依しているが、火が苦手で、身近に火の気があると、憑依が解けてしまい一時的に一夫に戻る。

小田美紀/森口瑤子

一夫の妻。
軽度の認知症を患っている義母・花江の介護を一人でやっていることに疲れている。
結婚前は、仕事をバリバリこなすキャリアウーマンだった。結婚後は専業主婦になり、毎日書いているブログが趣味。
介護と家事を一身に背負い、「母親」という自分に、息苦しさと静かな絶望を抱えている。
ある日、これまでため込んできた不満がついに限界に達し、衝動的に家出をしてしまう。

小田七海/染野有来

小田家の長女。地元の高校に通う。
歴史が好きで、武将図鑑を読むことや、神社仏閣の朱印を集めることが趣味。
我が道を進む癖がある一方で、現代の高校生にありがちな、いわゆる"SNS中毒"に陥っていた。家族との朝食も、スマホを片手に・・・
家族との会話も少なかったのだが、父に信長が憑依したことで、家の中にもある変化が・・・

小田花江/草村礼子

一夫の母。
軽度の認知症で、最近もの忘れがひどくなってきている。足腰も徐々に弱くなってきており、一夫の妻、美樹に介護されている。
一人でいるのが本当は寂しく、つい世話をしてくれる美樹に小言をいってしまう。
一夫が買ってくれた介護用ロボットの「カイゴ」だけが唯一の話をする相手と思っている。コロッケが好物。

脚本:土橋章宏

時代劇モノをコミカルに描くのが持ち味で、映画やドラマなどで活躍中の脚本家。

代表作
「超高速!参勤交代」「超高速!参勤交代リターンズ」など

コメント
『あの信長が現代によみがえる!しかも優柔不断なダメ社員に憑依して!?』そんなコメディ企画ですが、現代における働き方や介護など家庭の問題なども盛り込み、いろいろ解決法を考えながら作ったドラマです。あのカリスマの信長が、自分の築いた町である岐阜の現在を見たらどう思うのか、そしてどうやって現代の民を盛り立てていくのか。信長の活躍と、翻弄されながらも必死についていく主人公の成長をご覧いただけたらと思います。