“電車×アイドル”の異彩がカバンに “障害”と“アート”

“電車×アイドル”の異彩がカバンに “障害”と“アート”

異彩アートが人気 高級ネクタイ、マスク、カバンに “電車×乃木坂”も

“電車×アイドル” 異彩のアート

鮮やかな色使いに、大胆な構図とデザイン、
こだわりは細部の細部まで。

女性「全部かわいい」「才能だな」

テレビ塔近くにあるギャラリー、
「サステナブル・ミュージアム」。
去年9月に「ヒサヤオオドオリパーク」とともにオープンしました。
ギャラリーには、アート作品のデザインを生かした商品も販売されています。
ネクタイは2万4200円、マスクは4400円と高級ですが、
人気を集めています。

女性「みんな素敵なものだから迷っちゃう」
男性「気に入ったのがあったのでほしかったけど在庫がなかったのであきらめた」

ギャラリーの中でもひときわ目を引くのがこちらの作品。
細い筆1本で、縦72センチ横91センチの
大きなキャンバスに緻密に筆を走らせていきます。
1枚の作品を完成させるのに数か月はかかるといいます。

「突き詰めてやる人たち=アーティスト」

“電車×アイドル”アーティスト 早川拓馬さん(31)

三重県玉城町(たまきちょう)に住む
早川拓馬(はやかわ・たくま)さん (31)
「電車」と「アイドル」を描きつづける
「アーティスト」です。

早川さん「電車大好きです」
    「(描いているのは)乃木坂46」
Q「好きなんですか?」
早川さん「はい、好きです」

大好きな「電車」と「アイドル」だけで全ての作品を表現します。
三重県松坂市の希望の園。
アトリエに通っているアーティストは、
早川さん含めて知的障害や身体的障害があります。

希望の園 村林真哉園長
「本当は一人一人違うわけで。
色とか線とか形に興味があってそれを通して
『何かを作りたい』とか『自分を表現したい』ことを
突き詰めてやる人たち。つまりアーティスト」

“アーティスト”に”正当な対価”を 「お金の文脈をつけていく」

“アーティスト”の作品から生まれたカバン(2万7500円)

障害者のアート作品に目をつけたのが、
岩手県の会社「ヘラルボニー」の
松田崇弥(まつだ・たかや)社長(29)です。

ヘラルボニー 松田社長
「こんな素敵な作品を描く作家さんがいるのかということを皆さんに知っていただけたら」

障害のあるアーティストの作品を
「サステナブル・ミュージアム」で展示するとともに
そのデザインを買い付けて
ハンカチやスカーフ、マスク、ネクタイなどを作り、
販売しているのです。

松田さんがこの事業に乗り出すきっかけとなったのは
先天性の知的障害がある兄の存在でした。

ヘラルボニー 松田社長
「兄は『かわいそう』って言われることが多かったり、
                 友達が兄のことを馬鹿にしたり」
「欠落とかかわいそうとか そういうイメージを変えていきたい」

これまでに取引したアーティストは、すでに100人を超えています。

ヘラルボニー 松田社長
「障害者って聞いたときに、
『すごいアートかっこいいよね』とか
 そういうイメージが先行する社会を作っていきたい」

展示された作品はカバンに生まれ変わります。
その制作過程にも障害者が関わります。
カバンの値段は種類によりますが、トートバッグは2万7500円。

決して安くはないですが…。
男性が購入しました。

男性「(模様が)かっこいいなと思って。カバンとして持ちたいと」
「ためらいはないですね。金額に対しては」

アーティストには、カバンが1つ売れるごとに
販売価格の3%がライセンス料として支払われます。

ヘラルボニー 松田社長
「すでにできることに、こちら側がお金の文脈をつけていく、
           それを価値とするという風にしていきたい」

「ヘラルボニー」は3年前から東京などでこの事業をスタート。
名古屋でも売れ行きは上々で、
早川さんの「電車」と「アイドル」の作品から生まれるカバンも完売しました。

早川さん「完売?給料出ます。うれしいよね」
Q給料もらって何をする?
早川さん「AKB」
Q見に行く?
早川さん「はい」

『違い』から生まれるアートを埋もれさせず、
『正当な対価』をアーティストに返す取り組み。
更なる広がりが期待されています。

(2021年1月28日放送「チャント!」より)