もう私は、恋なんてしないと思っていた。
10月3日(土) 午後2:00~3:24放送 CBCテレビ製作/TBS系全国28局ネット
そこに抱きとめてくれる人がいたなら、
きっと、きっときっと
誰だって走り出したんだ。
こうして…
息の続く限り。
命の続く限り。
走り出したんだ…。
「愛していると言ってくれ」「ビューティフルライフ」…
1990年代日本ドラマ界を席巻し、今も時代の先端を走り続ける脚本家 - 北川悦吏子そんな北川悦吏子と共にタッグを組んで全国ネットのドラマを制作。
2013年は『月に祈るピエロ』(主演:常盤貴子)、2014年は『月に行く舟』(主演:和久井映見)を、彼女の出身地である岐阜を舞台に大人の恋物語を描いた。
2015年も「月」シリーズ三部作の完結編として『岐阜×北川悦吏子』で、新たな大人のラブストーリーを送る。
「三つの月とは」・・・
中国のことわざ、『一月三舟』から発想。
同じ月を見ていても、乗っている舟が違えば全く別の様相を呈す、という意味。このドラマでは「月」を「恋」ととらえる。
ある一つの恋。
それが、今、そのさなかにいる時と、
それから、ずーっと月日がたって、何年もたったあとでは
まるで違った意味を持つ。
まるで違ったものに、見えるのではないか・・・
それが、不倫の恋ならなおさら。
そこに走るか走らないかで、人生はまるで変わってしまうだろうから。
このドラマは、女の人生と恋の物語である。
舞台は、山あいの美しい町。
いつもと、変わらない山。変わらない川。変わらない緑。
美しいが、退屈でもある。
ヒロイン、小坂繭(まゆ)は、妻であり母であり嫁である。
夫の面倒をみ、息子の世話をし、長患いをする姑の看病をする日々の中、
「お母さん」という脇役に
息苦しい孤独と静かな絶望を抱えていた。
そんな中、東京からその地方にやって来た男・秋風蒼太と
ひょんなことから知り合い繭は、恋をした。
道ならぬ恋。
ふたりの心は通じ合っている。
そのことは、ふたりだけの秘密だ。
生きてるか死んでるかわからなかった日々で
手に触れるだけで、自分に血が通う気がする
自分が、息を吹き返す気がした。
抱きとめてくれる人がいたなら、
きっと、きっときっと誰だって走り出す。
繭にとって、それは切実な恋だったのだ。
ある一つの恋。
それが、今、そのさなかにいる時。
恋は、ずーっと月日がたって、何年もたったあと。
まるで違った意味を持って来る。
まるで違ったものに、見えるのではないか・・・?
それが、不倫の恋ならなおさら。
そこに走るか走らないかで、人生はまるで変わってしまうだろうから。
クライマックスは、東京に誘われた繭が、
地元に残るのか、家を捨てて、彼の元に走るのか。
女の人生と恋の物語である。
作 北川悦吏子
演出 堀場正仁
プロデューサー 堀場正仁
大谷佐代
櫻井美恵子(国際放映)
音楽 富貴晴美
助監督 鴨川哲郎
撮影 佐多賀剛
照明 関根謙一
録音 関根光晶
美術 鈴木隆之
制作担当 柳内孝一
番宣 真岡哲海
東京番宣 水野知歌
製作・著作 CBCテレビ
制作協力 国際放映
原田知世
田舎(白川郷)で夫の営む食堂を手伝うかたわら夫の母親の看病に追われる。妻であり、母であり、嫁。
かつては美しかったであろうその容姿も、閉鎖的な町で繰り返される恐ろしいほど平凡な日常に疲れ果て、心には絶望を抱えている。
谷原章介
作曲家。
東京を拠点に活動をしていたが、音楽に、人生に迷い、白川郷で長い休息をとっている。
繭が所属しているママさんコーラスの指導をすることに。
八千草薫
繭の夫・幸一の母。長らく病床に臥す。
繭の恋心にいち早く気付く唯一の理解者、そこには、過去の綾の恋物語もかさなっていく・・・
『スペシャルドラマ 三つの月』(10月3日(土)午後2時~3時24分放送、CBCテレビ製作TBS系全国28局ネット)の製作発表記者会見と特別一般試写会舞台挨拶が、東京都内で行われました。
出席した脚本家の北川悦吏子さん、主人公を演じた原田知世さん、相手役の谷原章介さんらが、ドラマの見どころやお互いの印象などを語り撮影を振り返りました。
生まれ故郷の岐阜を舞台に、自分がいいなと思う世界を、脚本に書かせていただきました。
今回、作品を通して原田知世さんとお会いできて嬉しいです。とても大変な役だったと思いますが、原田さんだからこそ書けたシーンもあります。
このドラマは不倫がテーマですが、実は初めてちゃんと不倫について書きました。女の人が結婚した後に恋をするって、どんなことなんだろうかと。
小さい頃から「かわいい」と言われ“ヒロイン”だった女の子も、年を重ね大人になりアラフォーを迎えていったら、いつしかヒロインでなくなってしまう。その辺りを、自分自身の最大の共感を持って書いた作品です。
とても素敵な作品に出演できて幸せです。
恋というのは、まず「ああ素敵だな」という気持ちがあり、そこからいろんな偶然が重なって、自然とその人を好きになっていくと思うのですが、台本の中に書かれたいろんなシーンや言葉に導かれるように演じることができました。
主人公の繭さんは、田舎町にお嫁に来てから、孤独や息苦しさを誰にも言えなかった。けれど谷原さん演じる秋風さんという人が現れて、彼女にとって一筋の光が見えたんだろうなと。演じていて胸がきゅっと痛くなるような、背中をそっと押したくなるような思いがありました。
また、八千草薫さん演じる綾さんの恋が同時進行するのも面白いストーリーです。
3年連続で月シリーズドラマに出演できて幸せでした。
三作品のヒロインは、三者三様でそれぞれ好きなのですが、たとえば昨年の和久井映見さんが“雲間から見える月”なら、一昨年の常盤貴子さんは“昼間の月”、そして今回の原田さんは、昔から変わることのない“中秋の名月”ですね。
そして僕はというと、それらの月を遠く離れた地上から見ているわけで…。
達成感もありますし、自分も40代でかかわらせていただいてかけがえのない作品になりました。
北川さんと一緒に3年間ドラマを作らせてもらい、最後を締めくくる作品です。
いずれも大人の女性の恋がテーマですが、今回は今までの二作以上に、人に恋することの大切さを感じられる作品になった気がします。
アラフォーだけでなく、今まさに恋をしている若い人や、恋をしたいなと思っている年配の方にも楽しんでもらえるのではないかと思います。