今までの10万円の使い方を振り返ってみた!

前が荷台付き自転車で後ろがバイク…ケンタウロス的マシン爆誕!タイで10万円あげたらこうなった

 目の前にいきなり“10万円”…。「お好きに使ってください」と言われたとしたら、皆さんはどんな風に使いますか?

 CBCテレビは、微笑みの国・タイでそのギモンを調査!日本との物価の差を考慮して、日本人にとっての10万円とほぼ同じ価値になるよう、“1万バーツ”を差し上げる人を探しに行きました。

 取材班は、タイ北部の大都市チェンマイと、更に北部にある田舎町チェンライの2つの町へ。まずは、市場で聞いてみると…?

Q.1万バーツをあげることになったら何に使いたいですか?

前が荷台付き自転車で後ろがバイク…ケンタウロス的マシン爆誕!タイで10万円あげたらこうなった

ゆで卵売りの男性:
「ゆで卵のビジネスに投資をしたいね。道具をキレイなものに買い替えて卵もたくさん仕入れたい」

前が荷台付き自転車で後ろがバイク…ケンタウロス的マシン爆誕!タイで10万円あげたらこうなった

買い物中のマスク姿の男性:
「整形したいです!今も(鼻を)整形していますが、えくぼを作りたいです」

 整形は、タイではわりとポピュラーだそうで、ニューハーフのお姉さんたちに聞いてみても「鼻を整形したい」と口をそろえ、“鼻の整形”が大人気のようでした。

 続いて、屋台で買い物中のタクシー運転手に聞くと…?

タクシー運転手の男性:
「娘のためにバイクを買ってやりたいです」

 こんな風にタイでは、家族のためにお金を使いたいと話す優しい人が実に多いのです。

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マッサージ師の女性:
「お母さんを海に連れて行ってあげたいわ」

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タイ陸軍の男性:
「両親にあげたいです」

母親:
「娘に良い授業を受けさせるための授業料に使います」

 家族のためにというのは分かるのですが、今回の取材では…。

タイ料理店店員の女性:
「お寺に寄付をして徳を積みたいです。仏教徒はみんな徳を積むのよ」

屋台経営の女性:
「障がいを持っている人や孤児のために寄付をして徳を積みます」

 しかも1人や2人ではなく、今回タイでインタビューした100人中なんと22人もの人が私利私欲のためでなく、「他人への奉仕のために使いたい」と回答。

 そして今回タイで話を聞いた100人の中で、実際に1万バーツを差し上げたのが、タット・ミャンムーさん、50歳男性。

ミャンムーさん:
「“ナンレイ”という小さなパイナップルを売っています」

前が荷台付き自転車で後ろがバイク…ケンタウロス的マシン爆誕!タイで10万円あげたらこうなった

 職業は移動式のパイナップル屋さんです。ミャンムーさんが1万バーツを何に使いたいのかというと…。

前が荷台付き自転車で後ろがバイク…ケンタウロス的マシン爆誕!タイで10万円あげたらこうなった

ミャンムーさん:
「この自転車にエンジンをつけたいんだ。こぐのが大変なんだよ」

前が荷台付き自転車で後ろがバイク…ケンタウロス的マシン爆誕!タイで10万円あげたらこうなった

 年も50歳になり、荷台付きの自転車をこぎながら売るのは大変らしく、エンジンをつけたいとのこと。

 パイナップルを乗せると荷台は50キロ超え。ちょっとした坂も登り切れずに途中で自転車から降りてしまう…とのことで、ミャンムーさんに1万バーツをプレゼント!

ミャンムーさん:
「ありがとうございます。エンジンをつけて一生大切に乗るよ。早速知り合いの修理屋さんへ持って行きます」

 荷台付きの新品バイクは予算オーバーのため、使っている自転車を改良できないか相談に。

ミャンムーさん:
「この自転車にエンジンをつけたいんだよ」

 と修理屋の男性に頼むミャンムーさん。さらに「荷台は気に入っているのでいじらないでほしい」との注文も。すると…。

修理屋の男性:「できますよ!」

前が荷台付き自転車で後ろがバイク…ケンタウロス的マシン爆誕!タイで10万円あげたらこうなった

 と、即答。なんとバイクを持ってくれば、それぞれを“真っ二つ”にして、荷台がある自転車の前の部分と、エンジンがあるバイクの後ろの部分を合体させてくれるというのです!

 タイでは このようなカスタムがそこそこ行われているらしいとのこと。工賃は5000バーツ。さらにバイク屋さんを紹介してもらい、パイナップルの荷台とぴったり合うナイスなバイクをちょうど 5000バーツで購入。

ミャンムーさん:
「バイクが手に入った!やったよ!」

 と、大喜びのミャンムーさん。こうして1万バーツを使い切りました。あとは完成を待つのみ。

 自転車の前の荷台部分と、買ったバイクのエンジン部分をつなぎ合わせるという、いわば“ケンタウロス”的な今回のカスタム…。

 修理屋さん、いきなりノコギリでバイクのフレームど真ん中を切断!次に自転車のこれまたど真ん中をバーナーで焼き切っていました。

前が荷台付き自転車で後ろがバイク…ケンタウロス的マシン爆誕!タイで10万円あげたらこうなった

 いったいどんなマシンが生まれたのか、一夜明けてミャンムーさんが修理屋さんを訪ねると…?

ミャンムーさん:
「すごくいいね!やった、僕がこれに乗れるんだ!」

前が荷台付き自転車で後ろがバイク…ケンタウロス的マシン爆誕!タイで10万円あげたらこうなった

 そこには、紛れもなく自転車の荷台と、バイクのエンジンがくっついたニューマシンが!真っ二つに割られた自転車とバイクが見事なまでに美しく合体しています。
 日本目線だと、合体の接続部分が“細いパイプ1本”なのが大変気がかりではありますが、タイではOK。使っていた荷台をそのまま生かしてほしいという希望どおりのマシンが出来上がっていました。

前が荷台付き自転車で後ろがバイク…ケンタウロス的マシン爆誕!タイで10万円あげたらこうなった

 お世話になった修理屋さんに別れを告げ、パイナップルを荷台に載せて出発!

 アクセルの加減が分からないのか、恐る恐る動き出すミャンムーさん。しかし、ニューマシンは50キロ以上ある荷台も何のその!

ミャンムーさん:
「(取材班に)本当にありがとう!」

 ミャンムーさんは、以前の自転車では登り切れなかった坂を、笑顔で風のように颯爽と駆け抜けていったのでした。

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