ドラの巻【CBCドラゴンズ情報】

恐竜復権―2018年に向けて始動する中日ドラゴンズをCBCテレビ、CBCラジオではさまざまな番組、企画で特集します!

ドラゴンズ黄金期を支えてくれた名セットアッパー浅尾拓也よ!私たちは決してあなたの勇姿を忘れない!

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ドラゴンズ黄金期を支えてくれた名セットアッパー浅尾拓也よ!私たちは決してあなたの勇姿を忘れない!
「【ドラゴンズライター竹内茂喜の『野球のドテ煮』】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム」


■突然訪れた引退の報せ

9月29日土曜日、台風24号の影響からか朝から雨が降っていた。ただドラゴンズファンは皆、浅尾、野本を愛する思いからくる涙雨だと思っていたはず…。
その日は突然やってきた。27日に浅尾、そして続くように28日野本の引退会見が開かれた。特にネット上では“浅尾 引退”がホットワードに上がるほど、浅尾引退のニュースは東海地区だけではなく、日本全国にいる浅尾ファンに激震が走った。
2006年の大学社会人ドラフト3位で入団。端正なマスクと誠実なる人柄、そしてチームの危機を救う働きぶりもプラスされ、あっという間にドラゴンズNo.1の人気選手に成長。絶対的なセットアッパーとしての地位を確立。彼なくしては球団史上初のリーグ連覇(2010、2011年)は有り得なかったという大車輪の活躍を見せ、2011年にはセットアッパーとしては初となるリーグMVPを獲得。名実ともに日本プロ野球を代表する投手として名を馳せた。
彼の引退試合、私は三塁の内野席でタイガースファンにはさまれながら彼の出番を待った。もう前日までにドラゴンズのクライマックスシリーズ進出の可能性はなくなっていた為、試合の行方はそっちのけ。浅尾の登板を今か今かと待っていた。スタンドを見渡すと、背番号41番のユニホームを着たファンの多いこと。ポストシーズン進出も夢と消え、もはや消化試合となったにも関わらず、36,268人という大観衆が足元の悪い中、ナゴヤドームへ駆けつけてくれたのである。浅尾拓也という男が多くのファンからどれだけ愛されていたのかが分かる。


■浅尾ほど礼儀正しく、義理堅い男はいない

今までに幾人かのプロ野球人を見てきたが、浅尾拓也ほど礼儀正しく、義理堅い男はいない。また彼ほどファンにサインを書いた選手はいないのでは。あの世界の王さんも断った姿を見たことはなかったが、浅尾も負けず劣らずの誠実ぶりでファンに接してきた。その真面目な性格ぶりはファンだけではなく、サンドラ内で放送された選手のコメントからも感じ取れた。
入団同期の福田は浅尾と同じく肩を痛めた際、よくアドバイスをもらったと言い、ドラゴンズ黄金期を支えた大島は、なんとかしてやるという気持ちがチームメイトに伝わってくるピッチャーで、“ド”がつくぐらいすごく良い人と彼を表現した。今後浅尾の意志を継ぐセットアッパーとして期待がかかる祖父江は、どれだけ調子が悪くても“向かっていく姿勢を持て!”と言われたことが貴重な財産となっており、その志を受け継いで投げているという。そして同学年の戦友・吉見は、浅尾がいたから連覇ができた。それだけ絶対的なストッパーだった。彼ほど気遣いができる奴はいない。野球以外でも一緒に過ごせたことはボクの財産になると、皆、浅尾拓也という男を絶賛する。

だからこそ別れがつらい。12年という長くて短かった年月、彼の粉骨砕身のピッチングに魅了され、私生活でつらいこと、悲しいことがあっても彼の頑張る姿でどれだけ心救われてきたか、そんな思いのファンでドームは埋め尽くされていたはずだ。当日どうしても現地へ駆けつけることができず、テレビで我慢していたファンも相当いたはず。そんなファン全てが9回、マウンドでボールを持って待つ森監督の姿を見て涙腺は崩壊寸前に。スタンドからは“拓也!”“浅尾!”“やめないで!”の声が飛ぶ。ボールを手渡して尻を叩く姿はまさに落合政権時の“浅尾が出ればもうゲームはもらったも同然!”と思えたあの光景。勝負は打者一人のみ。中谷を一番信頼していたフォークボールで三振に打ち取り、お役御免。その後、浅尾自身たっての希望で実現した岩瀬へのリレーでドラゴンズファンの涙腺は完全崩壊!まさに勝って当たり前と思えた黄金時代の必勝リレーを再現し、岩瀬にバトンを渡して彼は静かにマウンドを去った。


■球史に残る名セットアッパー

通算12年416試合38勝21敗23セーブ200ホールド、防御率2.42。野球人生太く短く。ドラゴンズ球団史上でも無二の存在として名を残すであろう名セットアッパー浅尾拓也。ただ残念でならないのは現在の小学生ぐらいのちびっ子が彼の凄さを知らないこと。そういえば松坂が今季初勝利を挙げた時に“子どもたちに名前を覚えてもらうよう頑張る”と話したことを思い出す。彼らがオンタイムで観れなかった分、しっかり浅尾拓也という素晴らしいピッチャーがいたことを伝えていかなくてはいけない。それがドラゴンズファンの務めであり、歴史の伝承である。彼がいなければ今のドラゴンズはない。それだけの名投手として今後語り継がれていってもらいたいと切に願う。
そしてあらためて言いたい!浅尾に逢えてよかった!浅尾のピッチングを観れて良かった!浅尾が投げる時代に生きていて良かった!本当に12年間お疲れ様でした。今はゆっくり体を休めて欲しい。そして今度は指導者としての立場でドラゴンズを助けてもらいたい。その日が来るのを一日千秋の思いで待ちたいと思う。


■新時代の幕開け

浅尾、野本が去り、また岩瀬、荒木という二人のレジェンドもユニホームを脱ぐと噂されている今、黄金期をプレーした名選手が次々とグラウンドを去っていく。時代が変わる。確実に変わる。未来のドラゴンズは果たして明るいのか?残された選手たちが彼らの志を受け継ぎ、必ずや常勝軍団再建を果たさなければならない。毎試合、声を枯らして応援するファンがいる限り必達だ。今季も残すところ2試合。若手には消化試合などない。来季に向け、何かひとつでも収穫を残して欲しいところ。強いドラゴンズが蘇るために一球一打魂をこめて!がんばれ!ドラゴンズ!燃えよドラゴンズ!

最後に。中谷との勝負時、最小限の応援に終始し、また引退セレモニーには席を立たず、野本応援歌をトランペットで吹いて盛り上げて頂いた阪神タイガース応援団、そしてタイガースファンの皆さんへこの場をお借りして御礼を言います。敵味方を超え、エールを送って頂いた姿に敬意を表します。ありがとうございました。


画像:「サンデードラゴンズ」スタジオ風景(C)CBCテレビ
(ドラゴンズライター 竹内茂喜)(1日17:34)

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