ドラの巻【CBCドラゴンズ情報】

恐竜復権―2018年に向けて始動する中日ドラゴンズをCBCテレビ、CBCラジオではさまざまな番組、企画で特集します!

「自分の求めるモノを再認識できた」―。竜の未来を担うべき中日エース候補・小笠原慎之介投手が激白。憧れの西武・菊池雄星投手から贈られた言葉が“3年目の挑戦”の礎に

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「自分の求めるモノを再認識できた」―。竜の未来を担うべき中日エース候補・小笠原慎之介投手が激白。憧れの西武・菊池雄星投手から贈られた言葉が“3年目の挑戦”の礎に
【あるドラライターの参考書的サンドラ活用法】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)をみたコラム


何かに迷ったり落ち込んだとき、誰かの言葉に勇気づけられ、背中を押してもらった経験はないでしょうか。その“誰か”が尊敬する人や、憧れの人であれば、より一層力が湧くもの。それは勝負の世界で生きるプロ野球選手も例外ではないようです。29日のジャイアンツ戦でプロ初完封勝利を挙げたドラゴンズ小笠原慎之介投手がその一人。「3年目の挑戦」について語った今週のサンドラの中で、今季の礎となっている言葉があったのです。


■「ストレートにこだわりを」―。憧れの菊池雄星投手の言葉で目指す姿を明確に

それは昨年12月に小笠原投手がサンドラにゲスト出演したときの一幕。ビデオメッセージで登場したライオンズ菊池雄星投手が「5年目、6年目ではじめて2ケタ勝つくらいの気持ちでいい。ストレートにこだわりを持っていると思うので、ストレートへのこだわりを持ち続けてほしい」と、同じ速球派左腕として通じるからこそ送ったエールが小笠原投手の3年目の“道しるべ”になっていることが明かされました。

「余裕ができたというか、焦らなくていいんだと。もう1回、自分の求めるモノを再認識できた」

高卒1年目から初勝利を挙げ、2年目も勝ち星を伸ばして着実に成長を遂げてきた小笠原投手を見る周囲の目は当然、チームにさらなる勝利をもたらしてくれるものと期待は大きくなっていたことでしょう。小笠原投手はその期待を肌で感じ取ることで見失いかけていた“理想とする自分”を、菊池投手の言葉によってあらためて明確にできたのです。
憧れの人の言葉を胸に、春季キャンプでストレートにこだわったことが正しかったことを証明します。オープン戦で首脳陣に認められる結果を残し、チーム史上最年少となる20歳5カ月での開幕投手に抜擢。大舞台で計測したストレートのMAXは148キロ。常時140キロ中盤をマークするなど「自分の力以上を出せた。負けはしましたが、すごくいい経験をさせてもらいました。理想に近いストレートを投げられた。でも5点も取られたので、まだまだだと感じました」と、たしかな手応えとなっていました。


■“6回の壁”を乗り越えるカギは意識改革

ただ、手応えばかりではないのが事実。開幕から2試合目で今季初勝利を挙げたものの、2勝目までに2カ月を要したことで率直な思いを吐露しています。「(勝つのは)難しい。自分の中では納得していない。やっぱり勝ちたい」。小笠原投手がなかなか勝てない原因として度々指摘された課題は、最も多く失点する傾向にある“6回の壁”。原因と対策を次のように語っています。

「打者の3巡目、試合の後半になるにつれて『打たれたらいけない』、『点を取られたらいけない』という気持ちが先にきてしまう。『○○してはいけない』という気持ちの持ち方を変えていかないといけない」

大先輩である川上憲伸さんから「打者の3巡目につかまる可能性が高いのであれば、1巡目で全球種を使わずに抑えていくこと」とのアドバイスを伝え聞くと、苦しい胸の内をさらけ出してもいました。

「その通りだと思うんですが・・・。僕はとにかく目の前のバッターを全力で抑えにいくことしか、まだ考えられない。難しいですね、なかなか。結局球種を使ってしまうんです。使わずにいこうと思っていても、ピンチを迎えると球種を使ってしまう。3巡目になったら、『何も投げる球種がありません』という時のほうが多いですね。そこはもう少し考えながら投げなければいけないとは思っています」

投球術の未熟さを痛感しながらも、そこで歩みを止めないのが小笠原投手の強さ。竜の黄金期でエースを張っていた吉見一起投手からの“完投指令”については、「完投したいんですけど、上手くいかない」と苦笑いをしながらも、「吉見さんのピッチングを見ていると、『完投する』『長いイニングを投げる』という気持ちが伝わってくる。僕も負けていられないという思いがあります」と、しっかり意気込みを口にしていました。
さらに手本にする存在として挙げたのがジャイアンツの菅野智之投手。日本を代表するエースの姿にその真髄を感じ取っていたのです。


■「比べモノにならない。でも勝ちたい」―。闘争心を最高の形で実現したプロ初完封

「最後の9回、100球をこえている中で、ランナーを出しても二つギアを上げられるのが凄い。僕なんかは比べモノにならないです。全然下のレベルだなと。(投げ合った時も)とにかく色んなことを見て、楽しみながら投げていました。楽しいじゃないですかエースと投げ合うのは。でも、やっぱり勝ちたいです」

歴然たる力の差に脱帽しつつも、過去の対戦で貪欲に吸収する姿勢で対峙してきた小笠原投手。「勝ちたい」という闘争心を持ち続けた菅野投手と投げあったあの試合でプロ初完封を達成したのは必然だったと思えてなりません。
またこの試合の小笠原投手の好投について、スタジオ解説の赤星憲広さんは「インコースのストレートを最後まで投げ切れていた。だからこそ勝負球のチェンジアップが有効的に使えていました。素晴らしいピッチングでしたね」と、小笠原投手が磨き上げてきたストレートを絶賛。さらに川上さんが提案されていた投球術に関しても、序盤はストレートとチェンジアップを主体とした組み立て。課題の3巡目を迎えた6回は打者3人をすべて異なる球種で打ち取ったピッチングに新たな境地を感じさせてくれました。
森繁和監督は「5、6回を乗り越えるのがやっとの試合も多かったが、これを乗り越えて一人前になるのかなと思う」と、予感した覚醒に期待も高まるばかりです。


■スピードガンの申し子・小松氏から助言。「リリースポイントを可能な限り前で」

小笠原投手が今でも求めているのはストレートの威力。

「スピードガンより速いと感じさせたい。相手に『打てそうにないな』と思わせたら勝ち。そこを追求していきたいですね」

この発言を聞いた小松辰雄さんは「ほんの少しだけでもいいから前で、キャッチャー寄りでボールを放すこと。そうすれば(バッターの)手元で伸びのあるボールが投げられる」とアドバイスを。速球で鳴らした往年の名投手の金言も吸収して、さらなる成長を遂げてくれることでしょう。
 ドラゴンズは前カードのジャイアンツ戦において、初めて後半戦のカード勝ち越し。新外国人のジョエル・ロドリゲス投手が来日初登板の1イニングを3者凡退に抑えれば、佐藤優投手はリリーフとして7試合連続無失点投球を継続中。そして小熊凌投手が2年ぶりの白星を挙げるなど明るい話題は豊富。まだまだファイティングポーズは崩れていません。最下位からの巻き返しを存分に楽しもうではありませんか!


ドラゴンズライター高橋健二
画像:「サンデードラゴンズ」に出演する小松辰雄氏(C)CBCテレビ(30日12:10)

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