ドラの巻【CBCドラゴンズ情報】

恐竜復権―2018年に向けて始動する中日ドラゴンズをCBCテレビ、CBCラジオではさまざまな番組、企画で特集します!

沖縄発・ドラゴンズ“松坂キャンプ”総括

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沖縄発・ドラゴンズ“松坂キャンプ”総括
「ことしのドラゴンズは多いよ〜ファンも報道陣も・・・。全然違うもん」
那覇空港から中日ドラゴンズ1軍キャンプ地である北谷町が近づくと、タクシーの運転手さんが楽しそうにこう話してくれた。

北谷町役場を訪ねると野国昌春町長も今年のキャンプについて、開口一番、目を大きく見開いてこう感想を語った。「恐ろしいことになっています」と・・・。キャンプ地を訪れる人の数がとにかく半端ではないそうだ。

ドラゴンズは2月28日に春季キャンプを打ち上げた。
タクシーの運転手さんと北谷町長、この2人が口を揃えて話すように、キャンプ地にかつてないほどの人を集めたのは、現在のドラゴンズに最も遅く加わった選手、松坂大輔である。「松坂ドラフト」「松坂世代」と呼ばれるように、常にその名前が冠となった松坂投手だが、今年のドラゴンズのキャンプはまさに「松坂キャンプ」と呼べるのだろうか。
私が現地入りした時はすでにキャンプも最終盤だったが、それでも松坂投手の一挙手一投足が注目され、松坂投手が動くところにファンやカメラマンが殺到していた。
周囲何メートルかに漂う独特な空気感と言い、“スーパースター”とはまさにこういうものかと目の当たりにすることができた北谷球場だった。

キャンプ総括を書くにあたって最初にきびしい話をするならば、5年連続Bクラスという現状は決して甘いものではないということである。
どんな新戦力が加わったとしても、成績予想を積み上げる実績ベースを去年に置く限り、この現実から目を背けてはいけない。
それを踏まえた上で、北谷では今季のドラゴンズを次の2つのポイントから注目してみた。

最初のポイントは「先発投手陣の整備」である。
広いナゴヤドームを本拠地とする以上、「打ち勝つ野球」より「守り勝つ野球」を掲げるべきことは明白である。しかしこのところドラゴンズは先発投手陣がほぼ崩壊、2年連続で二桁の勝ち星をあげた投手がひとりもいないという厳しい状況である。

今季に先発として期待したい候補は多い。小笠原慎之介、柳裕也、鈴木翔太のドラフト1位トリオ。柳と同じ2年目の笠原祥太郎。今年再び先発に挑戦する北谷町出身の又吉克樹。久しぶりのメジャー活躍投手であるディロン・ジー。大野雄大、吉見一起、そして山井大介という実績あるメンバー。さらにキャンプの“主役”だった松坂大輔。名前は次々と挙がる。
それでもキャンプを視察したあるOB評論家は「現在まだ計算できる投手がひとりもいない」と断言していた。それがBクラスチームの現実なのである。
あえて1人キーマンを挙げるならば、3年目の小笠原投手であろう。オープン戦の開幕試合に登板し4回をノーヒットに抑えたピッチングは、現在のドラゴンズに不在である“エース”の座につく期待を持たせた。

もう1つのポイントは「センターラインの整備」である。
捕手〜二遊間(二塁・遊撃)〜中堅手、この4人を結ぶラインは「センターライン」と呼ばれ、守備における根幹である。ドラゴンズのリーグ制覇の歴史を見ても、強い時代のセンターラインには納得できる顔ぶれが並んでいる。

与那嶺要監督の下で20年ぶりのセ・リーグ優勝をした1974年(昭和49年)は「木俣達彦〜高木守道〜広瀬宰〜谷木恭平(大島康徳)」。
近藤貞雄監督の野武士野球で優勝した1982年(昭和57年)は「中尾孝義〜上川誠二〜宇野勝〜平野謙」。
星野仙一監督で昭和最後の優勝となった1988年(昭和63年)は「中村武志〜宇野勝〜立浪和義〜彦野利勝」。
同じく星野監督で開幕11連勝から優勝を成し遂げた1999年(平成11年)は「中村武志〜立浪和義〜福留孝介〜関川浩一」。
そして落合博満新監督でいきなり優勝した2004年(平成16年)は「谷繁元信〜荒木雅博〜井端弘和〜アレックス・オチョア」

特に2004年からの二遊間は「アライバ」と称された名コンビで、そろって6年連続のゴールデングラブ賞を受賞しドラゴンズの黄金期を築いた。
このように、センターラインの重要性は歴史が証明しているのだが、昨今のドラゴンズはセンター大島選手以外、他3ポジションを固定できない状態だった。昨季ようやくショートに京田が落ち着いた。
今年のキャンプを終えて見えてきたのは「大野奨太〜高橋周平〜京田陽太〜大島洋平」という布陣であり、これまで期待を裏切り続けてきた高橋周平がセカンドに納まれば、久しぶりにセンターラインが確立しそうである。その意味でキーマンは7年目の高橋である。

今年のドラゴンズのキャンプは讀賣ジャイアンツのようなインフルエンザ禍もなく、また目立ったケガ人もなかった。その意味では順調だったと言えよう。
しかし、かつて落合監督がノックによって森野将彦内野手を失神させたような猛特訓風景は表向きあまり見られなかった。
キャンプの成果はこれから続くオープン戦でさらに熟していく。「先発投手陣」と「センターライン」この2つの整備の行方に注目したい。
今はどのチームも明るい話題や評判が多い時期だが、やがて真実の実力が見え始める。
ドラゴンズには5年連続Bクラスという現状、そして「挑戦者」の立場を忘れずに、大切な1か月を戦ってほしい。3月30日のペナントレース開幕までもう1か月である。

【東西南北論説風(33) by CBCテレビ論説室長・北辻利寿】(28日18:39)

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