ドラの巻【CBCドラゴンズ情報】

恐竜復権―2018年に向けて始動する中日ドラゴンズをCBCテレビ、CBCラジオではさまざまな番組、企画で特集します!

123球を投じた松坂投手。じつは8回もマウンドに上がる気でいた事実

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123球を投じた松坂投手。じつは8回もマウンドに上がる気でいた事実
【あるドラライターの参考書的サンドラ活用法】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)をみたコラム

セ・リーグの覇者広島を3タテで下し、5連敗していたことを忘れ去ることができたドラゴンズファンのみなさまも多いのではないでしょうか?
はじめまして。このたび、ご縁をいただきまして「CBCドラの巻」でコラムを書かせていただくことになりました高橋と申します。僭越ながら自己紹介を。
某野球専門雑誌(通称BT)で中日ドラゴンズさんの担当ライターとなり今年で10年目。ファン歴はじつに28年になります。小学1年生のときに父親に連れていってもらった巨人戦(1989年8月12日のナゴヤ球場。8回までノーヒットノーランに抑えられていた斎藤雅樹投手から、9回裏に四番・落合博満選手のサヨナラ3ランで勝利した劇的な試合)をきっかけに、平日の18時前になるとラジオのチューニング合わせに四苦八苦しながら欠かさずドラゴンズ戦のナイター中継にかじりつく生活が日常となっていました。
ファンの域をオーバーランしてしまったのが2004年。自分をドラゴンズの虜にした張本人が帰ってくるという報道に突き動かされ、オレ流野球を可能な限り近くで感じたいと辿り着いた場所がベンチ横の一角。選手のバットをベンチに運び、ファウルボールを拾うナゴヤドームのボールボーイになっていたわけであります。
川崎憲次郎投手の開幕サプライズ登板にいきなり度肝を抜かれ、日本シリーズの第2戦、西武・松坂大輔投手からミスタードラゴンズ・立浪和義選手がライトスタンドに3ランを放ったときは、立場を忘れて半分ガッツポーズをしかけて冷や汗をかいたことも良い思い出。グラウンドレベルでプロのプレーを目にできたことはもちろんのこと、ドラゴンズの選手にかけられた何気ない言葉は宝物です。
それから紆余曲折を経て、2009年にライターとしてドラゴンズさんに携わらせていただくことになったわけですが、伝える側としてはまだまだ未熟であることを痛感。そこで、それまではイチ視聴者として見ていた「サンデードラゴンズ」をライターとして腕を磨く教材のような感覚で視るようになりました。その姿勢はこれからも変わりませんので、ここで書かせていただくコラムにおきましては、ドラゴンズライターとしての視点で番組から得た学びや発見、共感、そして持論なども書かせていただければと思っております。
若輩者ではありますが、何卒、宜しくお願いいたします!

それでは、今週のサンドラについて。

4月19日のタイガース戦で今シーズン2度目の登板を果たした松坂大輔投手を特集。登板翌日に行われた川上憲伸さんとのスペシャル対談で語られた真相から、筆者が勝手に抱いていた自信は確信に変りました。
松坂投手の完全復活は近い!
そして、ドラゴンズがBクラスを脱却するうえで欠かせない戦力だということ。
チームが4連敗中と苦しむなかでの2週間ぶりのマウンド。「連敗を止めるのは自分しかいないと思った」との意気込みは7回2失点の熱投を披露。この結果以上に、松坂投手のピッチングは内容の濃縮されたものだったのです。

この試合を解説していた憲伸さんが、松坂投手の状態の良さを感じたポイントとして挙げたのが変化球。阪神の打者陣がスライダーを狙っているにもかかわらず、そのスライダーでタイミングを外している光景から「腕が振れている証拠だと思った」との評価を伝えると、松坂投手自身も大きな手応えを感じていたことを次のように明かしていました。

「タイガースの右打者が外角のスライダーに意識を強く持ってくることは予想していて、実際にスライダーを待っているなと感じました。だからといってスライダーを投げないという選択はないので、逆に打ちにきてもらって構わないと。それぐらいスライダーで打ち取れる自信はありました」

裏をかいてかわすのではなく、相手打者の思惑を凌駕するだけのボールを投じて抑える。それはまさに123球目が象徴。7回表、2死満塁。代打・上本博紀選手を空振り三振に仕留めた渾身のスライダーに集約されていました。

「あの場面はストライクからボールになる球を投げる勇気を持てたことが要因。いい所に投げて見逃し三振ではなく、ストライクからボールになるコースで打ち取るというイメージを持って投げました。迷うことなく投げられた事が結果につながったと思います」

この試合の登板であらためて松坂投手が証明したこと。それは幾多の勝負を繰り広げてきたなかで培った経験をもとに、打者を抑える投球術を体現できるという事実。ともすれば唯一の懸念材料は故障に苦しんだ右肩の状態だけですが、それもクリアする驚きの真実が語られたのです。

「今後の自信になったことはイニング数というよりも球数ですね。120球超えましたが、いっぱいいっぱいという感じではなかったので。7回を終わったところで森監督が『さすがにもういいだろう』と言われたので、『分かりました』と言いましたが、あそこで朝倉コーチが来て『どうしますか?』と言われていたら、『行くよ』と言っていたと思います」

自分のピッチングで流れを持ってきたいという使命感が“球数”というリミッターを外させていた。完全復活に向けて残す課題は「ストレートの出来だけ」と言い切った松坂投手は、「今の自分にできる事は限られていると思いますが、その中で若い選手に伝えられるモノが出てきたらいいなと思います」と手本となることも誓っていました。その意味では123球を投じて7回を投げ抜き、さらにはその先も投げ続けようとしていた姿勢はすでにチームに大きな影響力をもたらしたことでしょう。故障からの復活を期す松坂投手が100球を大きく上回るピッチングをしたことで、若手の先発投手陣には100球前後でマウンドを降りる考えはなくなったに違いありません。近年の低迷するドラゴンズはシーズンの序盤から負担のかかったリリーフ陣が中盤以降に機能しなくなったことも一因。先日、柳裕也投手がプロ初完封勝利を挙げたように先発投手が1人で投げ切るような試合が増えれば、リリーフ陣が疲弊することなくシーズン終盤までパフォーマンスを維持してくれるはずです。
24日からの巨人2連戦には、ついに大野雄大投手の今季初登板初先発が濃厚。エースになるべき存在の大野雄投手が圧巻のピッチングで勝利を挙げるとなれば、いよいよセ・リーグ随一の厚みをもった先発投手陣が構築されるでしょう。シーズン序盤の勝負どころとなるゴールデンウイークの9連戦に向け、遅れてきたエースにはシーズン初登板での完投勝利を期待しています!

ドラゴンズライター高橋健二(23日11:16)

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