2015年3月7日放送
健康ニュースのキーワード

★キーワード「在宅医療」
30年ほど前、お年寄りのいる家庭の45%が、親・子・孫が一緒に暮らす3世代家族でした。現在は逆転して、夫婦のみの老々世帯と一人暮らし世帯をあわせると56%と半数以上。3世代家族は13%に減って少数派です。3世代世帯が多数派だった時代には、家庭の中に介護力がありました。しかし、今は核家族時代。成人した子どもたちは親とは離れた所に住んで家庭を持ち仕事をしています。穏やかに暮らしていた夫婦のどちらかの病状が急変して入院したりすると、老老介護は突然崩壊してしまいます。お年寄りが住み慣れた自宅で生活を続けるには、訪問診療、訪問看護、訪問歯科診療、ヘルパー、入浴サービスなどの介護サービスの手を借りることが必要です。老老介護の最大の不安はやはり病状の急変でしょう。超高齢社会を支える新しい在宅医療の仕組み作りが喫緊の課題になっています。
教えて!ドクター
★2月のテーマ「手術の最新事情」
「内視鏡手術の今後」
このシリーズの最初に、手術―内視鏡手術は日進月歩であったと申し上げましたが、また少しずつ新しい流れがあります。その流れは大別して二つあります。ひとつは、患者さんに優しい手術であるという面をさらに進めて、より傷を小さくし、減らす方向です。そしてもうひとつは、治療する側―お医者さんのことです.実は、内視鏡手術は患者さんにやさしい反面、お医者さんにとっては大変なんです。先回お話した特有の訓練が必要であることの他に、モニターを、時に変な角度でずっと見ていないといけないことや、お腹にあけた孔の位置によって、中腰や、横向きで手術を続けなければならないために、腰や首が痛くなったり、目が悪くなったりと、医師にとっては、全くやさしくない手術なんです。こうした医師の負担を減らすために登場したのが手術ロボットです。ロボットは実際に手術機械を入れていたところにロボットの手が入ります。外科医は、直感的に動かせる指サックのような入力部分で手を動かすと,実際に患者さんに対応するロボットが同じように動いてくれるので、従来の内視鏡下では非常に難しかった針や糸で縫う操作が非常に楽になりました。また、開腹手術でも内視鏡手術でもそうなんですが、助手の先生が臓器をずっと持っていないといけないというのは疲れますが、固定したロボットアームでは楽です。それから、従来の開腹・開胸手術では50歳を超えると視力が落ちてきて手術のクオリティが下がる、といわれてきましたが、内視鏡手術では大きく鮮明な画面が見られるメリットが非常に高いのですが、ロボットの場合は3次元スコープなのでさらに見やすくなっています。このような視野の問題、さらに手振れの補正ができるなどのメリットがあります。
スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪
<薬学部を選んだきっかけ>
中学生の時に体の中で薬がどのように効いているのか不思議に思ったこと、そして人の健康に携わる職業に就きたいと思っていたからです。祖母が糖尿病で多くの薬を飲んでいましたが、きちんと効いているかがわからないということもありました。
<どのような薬剤師を目指しているか>
薬の知識があることは当たり前ですが、その知識があるだけでなく患者さん一人一人のライフスタイルに合った薬の提案ができるような、患者さんに身近に感じてもらえるような薬剤師になりたいです。朝飲む薬も多いと思いますが、朝は忙しくて飲めない人も多いと思うのでそういう人にはお昼に飲んでもらうなど、患者さんのライフスタイルに合った薬の提案もできることが大事かと思います。
<大学で学んだことで心に残るエピソード>
大学5年次に病院と薬局へ実習に行くのですが、在宅医療の現場に関わらせてもらった時に多くの患者さんが多くの薬を飲んでいることがわかり、また薬の管理が大変だと患者さんが言っていたことから、在宅医療にも薬剤師が必要であることを学びました。
<在宅医療における薬剤師の役割>
薬の種類をしっかりとスケジュールで管理し、副作用が出てしまった時のためにしっかりサポート出来たり、副作用が出ないように出た時にどうすればよいかをしっかり教えてあげることが重要かと思います。電話で薬剤師にすぐ相談してもらえるようなコミュニケーションも大切だと思います。
<現在の勉強内容>
現在は薬局と病院での実習があり、また来年の国家試験に向けての勉強もしています。それから卒業研究では薬歴やお薬手帳について調べています。
<スマイルメッセージ>
午後から健康シンポジウムがありますので、在宅医療に関心のある方はぜひ参加していただきたいなと思います。