2014年1月11日放送
健康ニュースのキーワード

★キーワード=『国民健康栄養調査』
「国民健康栄養調査」とは、5年ごとに国民の食生活や生活習慣病の状況を厚労省が調査しているもので、昨年12月19日に最新の調査結果が発表されました。今回の調査結果の大きな特徴は「糖尿病予備軍」の人口が調査開始以来初の減少に転じたということです。1997年の調査開始以来、糖尿病患者も糖尿病予備軍も、いずれも増加を続けてきましたが、前回1320万人だった予備軍が今回1100万人に減少しました。その理由について、厚労省は、職場で行われている保健指導の成果ではないかと分析しています。保健指導とは、会社等の健康診断で生活習慣の改善が必要と判断された人を対象に、医師や保健師、栄養士が面接指導をして自主的な生活改善を支援するものです。
しかしその一方で、糖尿病患者は今回の調査でも引き続いて増えています。5年前の890万人に対し、今回は950万人でした。そしてさらに問題なのが、糖尿病が強く疑われると診断された人の中で現在治療を受けていない人の割合が35%にものぼり、特に40代では半数の人が治療しないで放置していることです。糖尿病は自覚症状がない病気なので、糖尿病と診断されても危機感が無く、そのまま治療しないで放置してしまうケースが多いようです。しかし、糖尿病は治療せずに血糖値が高いまま放っておきますと、合併症が恐ろしい病気です。失明や腎不全、さらに脳や心臓の病気にも結び付く恐れがあります。糖尿病と診断されたら必ず医師の指導の下で適切な治療を行うことが大切です。
教えて!ドクター
★1月のテーマ「不整脈」
【不整脈とは?】
脈が速くなったり遅くなったり、たまにポツンと飛んだり、バラバラになるなど、脈が不整になることを総称して不整脈と呼んでいます。健康診断などの際に不整脈が出れば心電図に記録され診断できるのですが、その時に不整脈が出ないことはよくあります。そのような場合には24時間記録可能なホルター心電図という検査を行うと24時間の間に出た不整脈をとらえることができます。手首の動脈で脈を触れますと心臓の鼓動が分かります。規則正しく触れるのが普通ですが、たまに脈がとんだりすることもあり、それを期外収縮と呼んでいます。興奮した際に速くなることは問題ありません。放っておいていい不整脈も多くありますので、きちっと診断できれば安心できると思います。また高齢になるほど心房筋の異常の度合いが増しますので、ある種の不整脈(心房細動)が出やすくなります。
スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪
<仕事を始めたきっかけ>
特にきっかけというものはありませんが、小学校の頃からのあこがれで看護師になりました。結婚を機に現場からは離れていましたが、2年ほど前より現場復帰し、患者さんと接するこのお仕事がやっぱり好きだなと思いながら日々お仕事させていただいています。
<対応で心がけている事>
患者さんやそのご家族がお話しやすいような聞く姿勢をつくるよう心がけています。インスリンの必要な患者さんに自分で注射する方法を説明させていただくこともあるのですが、自分で注射をすることに対して不安が強い方もいらっしゃいます。そのような患者さんには「不安があって当たり前」「始めは上手にできなくて当たり前」というように不安な気持ちを受け止めながら説明させていただいています。また、個々の患者さんに合ったサービスやどんな情報が必要かを考えながら仕事をさせていただいています。
<心に残るエピソード>
初めの頃に注射のお話しをさせていただいた患者さんと久々にお会いした際に私の事を覚えていて下さり、「あなたに教えてもらったおかげでちゃんと注射できているよ」と感謝されたことがありました。まだまだ説明は未熟でしたが、私の方こそありがとうと嬉しくなったことを覚えています。
<現場で感じる課題>
糖尿病の専門クリニックということで当然ながら糖尿病の専門知識が必要になってきます。最近はだいぶ知識も増えてきましたが、患者さんから尋ねられたことに対して正確にお答えするにはまだまだ勉強が必要だと思っています。また、通院患者さんが増え続けていますので、スピードと質を落とさずにより多くの患者さんの診療ができるよう、チームとして組織を整えていくことが今後の課題であると感じています。
<スマイルメッセージ>
糖尿病は血糖値が高くなる病気ですが、初めのうちは自覚症状がほとんど感じられません。今何ともないのだから大丈夫だと放っておかれる方もたくさんいらっしゃいます。しかし怖いことは、血糖値のコントロールが良くないまま年数が経ってそれで起こるさまざまな合併症です。健康診断で血糖値やヘモグロビンA1cが高いと指摘された方や、また治療を中断してそのままにされている方は是非一度医療機関を受診されるようお勧めします。