2025年
第128回 株式会社CBCラジオ番組審議会
| 開催日 | 令和7年12月19日(金) |
|---|---|
| 出席 (敬称略・五十音順) |
榊原栄一、堀田あけみ、牧洋一(副委員長)、 松井保幸、松尾清一(委員長) |
| 議題 | I. 番組審議「歌い継ぐ ~谷川俊太郎、生と死と」 II. その他 |
- I. 番組審議「歌い継ぐ ~谷川俊太郎、生と死と」
| 放送日時 | 11月25日(火)20時00分~20時59分 |
| 出演 | 谷川賢作 小室等 増田喜昭 谷川俊太郎 |
| スタジオライブ | ◆「今生きているということ」「死んでから」 「希望について私は書き記す」 歌と演奏:小室等・谷川賢作 ◆「さようなら」 歌:なかじま・としはる 演奏:谷川賢作 |
| 音楽 | 谷川賢作 |
| スタッフ | プロデューサー 藤塚卓洋 構成・ディレクター 森理恵子 取材 太田哲太郎 スタジオライブ収録 橘高良政 ナレーション いのこ福代 |
《企画意図》
音楽家でピアニストの谷川賢作さんは、2024年11月に亡くなった、詩人・谷川俊太郎さんの長男です。映画やドラマなど作曲・編曲を手がけ、自身の音楽活動を行いながら、父・俊太郎さんとともに、詩の朗読やコンサートなど、長年、親子での活動を続けてこられました。谷川俊太郎さんは、18歳で「二十億光年の孤独」を第一詩集として出版し、当時の文壇に大きな影響を与えた存在であり、以来、昭和・平成・令和を通して、常に日本を代表する詩人として親しまれてきました。「生きる」を代表作として挙げる世代から、「スイミー」「スヌーピー」の翻訳や子供の絵本でその作品に触れた世代まで、膨大で多岐にわたる仕事で多くの日本人にその名を知られています。
CBCラジオでは、2019年に、自局ホールに於いて谷川さん親子のコンサートを開催する縁を経て、東京のご自宅にて俊太郎さんの独自インタビューの機会を持ちました。さらに、同時期から、自身の活動で岐阜の少年少女合唱団の音楽指導を手がけていた賢作さんを取材し、その練習風景や発表会、子供たちとの触れ合いを、折にふれ、小番組で紹介してきました。
今回、長男である賢作さんの活動を追いながら、俊太郎さんの盟友であるミュージシャンやこの地域の本屋店主などの声を紹介し、谷川俊太郎さんという詩人が、時代を超えて、肉親や知人、読者、そして私たちに投げかけてきたものを、音声ならではの観点から顕したく、企画致しました。
《番組内容》
これまで触れられることは多くなかった谷川家について賢作さんが語り、ご自宅で伺った俊太郎さんのインタビューを織り込みました。「詩は、受け取る人がいて初めて、生きる」ということばをはじめとして、谷川俊太郎さんが、時代を超えて親しまれた「生きた」詩人であり続けた理由を感じ取れます。また、俊太郎さんの盟友で、80歳を超えてなお現役ミュージシャンの小室等さん。これまで、俊太郎さんと共に社会への想いを積み重ねてきたワークが、プロテストソング・抵抗の歌です。奇しくも、昭和100年・戦後80年という節目に亡くなった俊太郎さん。ことばが歌となり、心を揺り動かす。そんな体験をこの番組を聴く方と共有したく、CBCラジオでのスタジオライブを小室さんと賢作さんにお願いしました。
※タイトルに使用した楽曲は、谷川俊太郎さんの代表作の一つ「生きる」を、小室等さんがアレンジした「いま 生きているということ」。今回スタジオでさりげなく小室さんがつまびいてくださった音源です。
また、この地域で、深い交流のあった書店店主の増田喜昭さんには、俊太郎さんがこよなく愛おしんだ、読者たちと気持ちを交わす朗読ライブのひとときを取材させていただきました。
制作を通して浮かび上がってきたのは、家族愛であり、俊太郎さんが常に「死」に向き合い、そのうえで「生」を尊び、すべてのこどもたちに「託した未来」、そして、表現者としてこよなく愛した「音楽」でした。
エンディングでは、賢作さんと俊太郎さんが共に作った音楽「さようなら」と、俊太郎さんの「音楽の前の」という朗読を紹介することで、谷川俊太郎の一つの世界観を集約しました。
静謐な余韻とともに、「生」のひとときと、神聖な「死」を、感じていいただければと思います。
《構成》
- 00:50 アバン(岐阜市・合唱団風景)
生きる/朗読:谷川俊太郎
かけっこ/作詞:谷川俊太郎、作曲、編曲:谷川賢作
- 05:20 タイトル
「歌い継ぐ ~谷川俊太郎 生と死と」
- 07:27 谷川賢作さんの父・谷川俊太郎さん回顧
- 17:40 親子のライブとメリーゴーランド・増田喜昭さん回顧
宿題/歌:谷川俊太郎
はらっぱ/朗読:谷川俊太郎
- 25:00 小室等さんと谷川賢作さんの対談とライブ
(挿入歌)死んだ男の残したものは
作詞:谷川俊太郎、作曲:武満徹
(ライブ)死んでから
作詞:谷川俊太郎、作曲:小室等
(ライブ)希望について私は書きしるす
作詞:谷川俊太郎、作曲:小室等 - 43:35 こどもたちと谷川賢作さん
- 45:58 エンド~エンドロール
さようなら
作詞:谷川俊太郎、作曲:谷川賢作、歌:なかじま・としはる
演奏:谷川賢作
《審議委員の主なご意見》
- 詩と音楽の一心同体の状況を親子で作りあげられており感銘受けた。谷川俊太郎さんと賢作さんの親子のつながり・絆が番組の随所で語られ、素晴らしかった。
- 谷川俊太郎さんは、昭和平成令和に生きられた偉大な詩人であることを改めて認識することができたと同時に、生のひとときに神聖な死を少し感じることができた。
- 父である俊太郎さんは言葉で、息子の賢作さんは音で、自分を表現してそれが結びついたというこの関係性がとても美しいと思った。
- 家族愛や平和の尊さなど非常に深い部分を考えながら、聞いている人に自然に届く構成になっているのは、さすがラジオ局だなと思った。
- 耳で音を聞きながら色んなことを想像したり考えたりするラジオというメディアにフィットした内容だった。公共の放送局としての良心に示す象徴的な番組だと思った。
- ナレーションの いのこ福代さんの声がとてもすばらしかった。いのこさんの朗読も聴いてみたいと思った。
