番組審議会

2024年

第113回 株式会社CBCラジオ番組審議会

開催日 令和6年6月21日(金)
出席
(敬称略・五十音順)
堀田あけみ 近藤清久 榊原栄一
書面参加
(敬称略・五十音順)
松尾清一(委員長)
議題 I. 番組審議
I. 番組審議
放送日時 2024年5月26日(日)26:00~27:00
スタッフ <プロデューサー>
 藤塚卓洋(CBCラジオ)
<ディレクター・構成>
 森理恵子(テラ・プロジェクト)
<取材協力>
 太田哲太郎(テラ・プロジェクト)
出演 西山美香、西山輝男、西山令子
秦 融(ノンフィクション作家、フリージャーナリスト、至学館大学客員研究員、元中日新聞編集委員)
井戸謙一(弁護士、元裁判官)
周防正行(映画監督、再審法改正をめざす市民の会・共同代表)
ナレーション いのこ福代(俳優)、加藤由香(CBCアナウンサー)

《企画意図》

再審法:刑事訴訟法のうち、再審について定めた規定

湖東記念病院での事案を通して、再審法とは何か。何故制度の改正が行われないのか。
人が人を裁くことの難しさを考えた。

※事案概要
2003年5月22日、湖東記念病院で入院患者Aさんが心肺停止状態で発見された。発見したのは看護師Bさんと看護助手をしていた西山美香さんでした。一年後、西山さんは「患者の人工呼吸器をはずした」と自白し逮捕、有罪判決を受け12年間服役した。しかし、有罪の根拠となった自白は厳しい取り調べによるもので、自然死した合理的な疑いがあった。2017年12月再審開始、2020年3月再審無罪判決。ただ、再審にいたるまでの道のりは険しいものでした。
逮捕されてから今年で20年となる西山さん。無罪とはなったものの、失った歳月と受けた傷は計り知れない。昨年2023年12月、自分だけではなく、冤罪で苦しむ人々のためにも、国家賠償請求を決意した。

《番組内容》

番組は、西山美香さんが獄中からご両親にあてた手紙をタテ軸に、事件に光をあて世に問うたジャーナリスト、再審へ向け尽力した弁護士、作品を通して日本の刑事司法制度の実情をみせた映画監督らへの取材、インタビューを通して、誰のために法があるのか、法の在り方を考え、再審法の問題点などを探った。

Part.1 事件のあらまし
 西山美香さんからご両親にあてた手紙(ご自身による朗読)
 秦融さんの取材に基づく事件の顛末と西山美香さんの証言

Part.2 再審請求へ
 西山輝男さん、西山令子さんの事件の回想
 弁護士・井戸謙一さんとの出会いと再審への闘い
 西山美香さんからご両親にあてた手紙(ご自身による朗読)

Part.3 無罪判決と再審法の在り方
 再審無罪判決
 再審法の構造的な問題点の指摘
 法の在り方とは?映画監督・周防正行さんの考え

   《審議委員の主なご意見》

  • 私たち一人一人に改めて考える機会を与えてくれたという点で、非常に有意義な番組に仕上がっていると感じた。
  • 西山美香さんご本人が両親にあてた手紙を、自ら朗読されたことに、とても感銘を受けた。
  • この番組を通じて、再審についての現状と、制度改正の重要性を知ると共に、人が人を裁く難しさの一片にも触れた様な思いを持った。
  • 様々な視点から深い話をして頂いたが、その中に直接の当事者ではない、周防さんの視点を入れたことで、全体の内容をより引き締める効果が出ていたと思う。
  • とてもいい番組なので、深夜ではなく、もっとたくさんの方が聴ける時間で放送して欲しい。タイミングを見て再放送も検討して頂きたい。
  • 社会全体が理不尽かつ格差が拡大する今の日本において、こんな素晴らしい志を持った人たちがいることを、同じ日本人として誇りに思えるような番組だと思った。

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