2023年
第103回 株式会社CBCラジオ番組審議会
開催日 | 令和5年6月16日(金) |
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出席 (敬称略・五十音順) |
近藤清久 松尾清一(委員長) 堀田あけみ |
書面参加 (敬称略・五十音順) |
榊原栄一 平松岳人 村瀬幸夫(副委員長) |
議題 | I. 番組審議 日本民間放送連盟賞 エンターテインメント部門参加作品 CBCラジオ ドラマ特集『満ちる』 |
- I. 番組審議
日本民間放送連盟賞
エンターテインメント部門参加作品
CBCラジオ ドラマ特集『満ちる』
放送日時 | 2023年5月19日(金)午後9時~ (59分録音番組) |
原作・監修 | 竹内銃一郎 |
脚色 | 佃 典彦 |
出演 |
吉田健一 /佐野 史郎(ミューガル) 吉田満ちる /広岡由里子(ノックアウト) 青井大地 /渡部 将之(円盤ライダー) 持田ノリヲ /末吉 康治(劇座) 橋本雅史 /棚橋 真典(巣山プロダクション) 橋本幸恵 /石黒 志伸(巣山プロダクション) |
ナレーション | 小高直子 |
音楽 | ノノヤママナコ |
劇中歌 | 「私は街の子」 フライングドクター with 宮田あさみ 作詞:藤浦洸、作曲:上原げんと、 編曲:岩田ゆいこ |
プロデューサー | 菅野光太郎、乗松薫(ミルゲート) |
ディレクター&効果 | 菅野光太郎 |
アシスタント ディレクター |
名和あゆみ |
編集 | 豊田昌郎(フリー) |
技術 | 奥野賢司、橘高良政(サウンドバース) |
協力 | 日間賀島 かちま荘、カフェまりんぶるー ジャズ喫茶 古時計 小川瑞希 |
《企画意図》
昨今、ラジオドラマの魅力が見直されています。また、ナレーターや俳優らによる書籍の朗読をスマートフォンなどで聴く『オーディオブック』の利用者は2021年には200万人を突破し、コロナ禍の中、音だけで物語・ドラマを楽しむ人たちが急増しています。愛知県・名古屋地区は、全国的にも知られる劇作家を多く輩出しています。その中で、異彩を放つのが、愛知県・半田市出身の劇作家・脚本家の竹内銃一郎です。今回、竹内銃一郎原作の芝居「満ちる」を、名古屋の小演劇界を代表する劇作家、佃典彦がラジオ用に脚色しました。出演は、竹内銃一郎とともに活動してきた、俳優 佐野史郎、広岡由里子 他、名古屋で活動する役者・俳優たちです。愛知県発、ラジオドラマの魅力を伝えられればと思います。
《番組内容》
舞台は、三河湾に浮かぶ愛知の離れ小島。その島で、映画撮影に取り組む老齢の映画監督と、その娘で脚本家の“満ちる”の親子の愛憎劇が繰り広げられます。主演は俳優・佐野史郎と、劇団東京乾電池出身で、テレビドラマの名脇役で知られる広岡由里子です。最後の映画撮影を、思い出の島の海辺の民宿を拠点にして取り組む、73歳の映画監督、吉田健一(佐野史郎)のところに、脚本の直しのために、健一の2番目の妻の娘で、新進気鋭の作家、満ちる(広岡由里子)がやってきます。ただ、久々の対面に関わらず、親子二人は、互いにいがみあい、脚本の取組は、なかなかうまくいきません。さらに大きなトラブルも起こっていきます。映画の撮影はうまくいくのか?親子の関係はどうなっていくのか?親子の絆を考えさせられる物語が展開されていきます。《審議委員の主なご意見》
- 音声だけのドラマを1時間聴くのは大変だと思ったが、効果音の作りが素晴らしく、次第にドラマの世界に深く入り込んで聴くことができた。
- リスナーの数だけ登場人物の顔や表情、場面の状況があり、究極のアナログのエンタメだと思う。
- ドラマの内容を超えて様々な想像や憶測を掻き立てられる点からも素晴らしい作品だと思った。
- ストーリーが終始、民宿内で展開されていることを知らせる、あるいは気付かせる工夫があっても良かったと思う。
- この作品を聴いて、言葉として出す表面的な親子の関係ではなく、更に深いところでの親への思い・子への思いが心で繋がっているような親子愛を感じた。
- 手練れの書き手の世界を上手い役者が演じている作品を久しぶりに聴いた。ドラマとしての完成度が高いと思う。
- ラジオドラマにはまだまだ いろいろな可能性があると思う。挑戦を続けて行って欲しい。