2013年
第3回 株式会社CBCラジオ番組審議会
開催日 | 平成25年6月7日(金) |
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出席委員 (敬称略) |
団野 誠 一丸陽一郎 斎藤吾朗 堀田あけみ (書面参加 松尾清一) |
議題 | 1.番組審議 「認知症、元気です~『グループホームなも』の日々」 |
- 1.番組審議「認知症、元気です~『グループホームなも』の日々」
放送日時 | 平成25年5月26日(日) 19:00~19:46 |
プロデューサー | 森合康行(編成業務部) |
ディレクター | 菅野光太郎 |
音響効果 | 舘 一孝 |
ナレーション | つボイノリオ |
《企画意図》
名古屋市南区星崎地域にある南医療生活協同組合「グループホームなも」。ここは、認知症のお年寄りが共同生活をしている施設で、全国から見学者が訪れるほど注目されています。
厚生労働省によると、現在、認知症の高齢者数は、300万人を超えていて、ここ10年間で倍増しています。数字の上では、65歳以上の10人に1人が認知症となり、大きな社会問題です。
番組では、「グループホームなも」の取り組みなどを通し認知症について理解を深めます。
《番組概要》
名古屋市南区星崎地域にある南医療生活協同組合「グループホームなも」。名前の由来「なも」は、名古屋弁で「~です」という意味。地域に親しまれ、お年寄りの話を最後まで聞こうと言う所から名づけられました。
「グループホームなも」では、今アルツハイマー型認知症のおばあちゃんたち8人が、仲良く暮しています。
この「グループホームなも」は、地域の声をきっかけに立ち上げられました。建物は、築70年の古民家を改修したもので、「なも」の職員は、認知症のお年寄りに寄り添い、お年寄りの視線にたった介護を行なっています。一番の特徴は、認知症のおばあちゃんたちが、自分の家のように、お客さんを出迎え、掃除、洗濯、炊事を、自らの手で行う所です。ここで生活するおばあちゃんの中には、会話すらできない介護度3から、相手と意思疎通ができる介護度1にまで回復した方もいて、「なも」では、認知症のおばあちゃんたちの笑い声が毎日あふれています。
番組では、「グループホームなも」の取り組みやそこで暮らすおばあちゃん達の日常を通し、アルツハイマー認知症とはどの様な病気で、認知症の高齢者とはどの様に接すれば良いのかなど、認知症との付き合い方や考え方を提案します。
《審議委員の主なご意見》
- グループホームの中を歩く音や台所の音などから、利用者の元気さがよく伝わってきた。
- つボイノリオさんのナレーションの技術の高さが番組を盛り上げていた。
- 現場でのやり取りなどは“ながら”で聴くとキャッチしづらい部分があった。
- 重いテーマでありながら、聴きやすい番組に仕上がっていた。
- 映像からくる先入観がないゆえ、認知症の方々の普通に生活できている部分が良く伝わってきた。
- 番組最後のナレーションがよく、感動的な終わり方であった。
- 声しか聞こえないのでイメージが広がる分、自分の問題として訴えかけてくる力が大きかった。
- プラス面の強調だけではなく、本当に向き合わなくてはならないマイナス面も織り込んで、別の切り口でも聴いてみたい。
- 認知症についてあまり知らない人にも全体像がわかるように構成されていた。
- 施設長、主治医の解説がうまく入っていた。
- 施設内をあえてバリアフリーにしていないなど、施設の特異性がいくつか紹介されていたが、そこの説得がもう少しあるとよかった。
- 登場人物が多く、声を聴き分けるのが難しい。
- 全体を通して、一人の人間としての尊厳を十分尊重するという関係者の姿勢がしっかりとしたメッセージとして伝わってきた。
- なぜこのグループホームが成功しているのか、他の場所ではどのような困難があるのか、などの突っ込みが少しでもあればもっと理解が深まったように思う。