昔から駄菓子屋さんは、こどもにとって単なるお菓子を売る店というだけではなく、学校や家では教えてくれない大切なことを学べる場といわれています。9月16日放送『北野誠のズバリサタデー』では、『全国駄菓子屋探訪』(トゥーヴァージンズ)の著者で、駄菓子屋文化研究家の土橋真さんが登場し、駄菓子文化について語りました。この本では北海道から沖縄まで、創業100年以上の老舗から令和に営業を開始したお店まで、全国29軒の駄菓子屋さんにインタビューし、今も根付く駄菓子屋文化について解説しています。
駄菓子屋は増えている
駄菓子自体は今も販売されていますが、スーパーやコンビニなどのお店が林立する中、意外と駄菓子屋は残っています。
それどころか、土橋さんによれば駄菓子屋はむしろ増えているそう。
しかし、50代以上の方がイメージする駄菓子屋とは少し違うそうです。
土橋さん「昔ながらの駄菓子屋さんというのは、残念ながら本当に少なくなってます。
なぜ増えているかというと、例えば定年退職をされた方が新たにお店をやったりとか、大学生の若者たちがテストケースとして土日に毎週お店を開いたりとか、いろんな姿形で駄菓子屋さんができ始めているんですね。
銭湯に対するスーパー銭湯やサウナみたいなものですね」
新しい駄菓子屋の形
土橋さんは駄菓子屋に興味を持ち始めた時はネット上に情報はなく、東京の下町を自分で歩いて探すしかありませんでした。
それをブログで発信したところ、逆に全国から情報が集まりて、今は駄菓子屋を巡るために旅行をすることもあるそう。
その結果が週尺されたのが、著書の『全国駄菓子屋探訪』というわけです。
駄菓子屋とひと口に言ってもさまざまで、石垣島にある駄菓子屋は、北海道の有名菓子メーカー、ロイズさんと提携しているそうです。
また、愛知県津島市にある駄菓子屋すーさんは、駄菓子を買いに行くのはもちろん、店主のすーさんに悩みを聞いてもらう目的でお店に行くこどももいるそうです。
先生や親には相談しにくい悩みを聞いてもらえる大人として、頼られているようです。
さらにこの噂が広まって親も店主と話したりと、町のコミュニティプラザ、大人もこどもも交わる溜まり場のようになっているそうです。
駄菓子屋はなくならない
また名古屋市北区の名鉄瀬戸線尼ケ坂駅の高架下にあり、オシャレなたたずまいで若者に人気なのが、「おかしたべたい」というお店。
駄菓子以外にもさまざまなお菓子を売っていおり、イートインも可能です。
特徴的なのは、店を運営しているのが介護事業も運営している会社だということ。
いずれ介護施設の中に、利用者が自ら経営する駄菓子屋さんを作り、町のこどもたちが買いに来て稼げるような仕組みを作ろうと考えているそうです。
時代が変わり、形が変わっても残り続ける駄菓子屋さん。
「こどもと大人がいる限り駄菓子屋さんはなくならない」と語る土橋さん、「日本を明るくするひとつのツールが駄菓子屋になるのではないか」とまとめました。
(岡本)