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察するに、チョン・キョンファの6年間のブランクは、決して指の故障のためだけではあるまい。復帰した彼女は心配を他所に新たな充実の時を迎え、見事に大輪の花を咲かせていた。味わい深いコンサートであった。有名なわりに良い演奏に恵まれない、冒頭のモーツァルトk.304のソナタに引き込まれるのに時間はかからなかった。続いて演奏されたブラームスの深い味わい。後半はバッハの無伴奏も素晴らしかったが、フランクのソナタが圧巻であった。オイストラフ&リヒテルをはじめ、古来、名演が多いといわれるこの曲だがチョン・キョンファ&ケビン・ケナーも決してそれに引けを取るものではあるまい。演奏後の唸りをあげるような拍手がその証だろう。アンコールのシューベルトはまさに“楽興の時”。全てが昇華され、音楽だけがステージにあった。
《当日のアンコール曲》
シューベルト: |
ヴァイオリン・ソナティナ 第1番ニ長調より
第2楽章 アンダンテ
第3楽章 アレグロ ヴィヴァーチェ |
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「彼女が帰ってきた(She's back)」企画として母国韓国のソウルで2011年12月に始まったチョン・キョンファの正式なコンサート活動の再スタートは満場のソウル・アーツセンターの聴衆を沸かせ、そのニュースは世界中を駆け抜けて大きな話題となった。同時にデッカとの録音も再開されるという。
力強く熱い芸術性に加え、円熟味を増した彼女の素晴らしいステージは彼女を知る人、知らない人をともに魅了することだろう。 |
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チョン・キョンファ
(鄭 京和) |
ケヴィン・ケナー |
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ヴァイオリン |
チョン・キョンファ(鄭 京和) |
ピアノ |
ケヴィン・ケナー |
プログラム |
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 K.304
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト長調「雨の歌」
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 ほか |
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公演日 |
2013年6月8日(土)
【開場】16:30 【開演】17:00 |
会場 |
愛知県芸術劇場コンサートホール |
料金 |
S\8,000 A\7,000 B\6,000 C\5,000 D\4,000 |
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