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1792年に創立、ヴェルディのオペラ5作品を初演しているフェニーチェ歌劇場が2005年以来8年ぶりの来日を果たし、充実した「オテロ」を上演してくれた。オテロ、デズデーモナ、ヤーゴの主役級を歌った歌手もそれぞれに素晴らしかったが、中でもデズデーモナを歌ったリア・クロチェットにはひときわ大きな拍手が送られた。しかしなんと言ってもこの公演の成功は、指揮者チョン・ミョンフンの力に負うところが大きかったように感じた。嫉妬と復讐が渦巻くこのオペラの性格を際立たせ、オーケストラを雄弁に語らせたその音楽は、「これぞヴェルディ!」を実感させてくれた。音楽に寄り添った美しい演出にも好感がもてた。
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チョン・ミョンフン Myung-Whun Chung
7歳の時、ピアニストとしてデビュー。指揮を学び、1980年代からザールブリュッケン放送交響楽団音楽監督、パリ・オペラ座バスティーユ歌劇場音楽監督などを歴任。1995年、アジア各国から精鋭を集めてアジア・フィルハーモニー管弦楽団を創設。現在はアジア・フィル、ソウル・フィル、フランス放送フィルの音楽監督。東京フィルハーモニー交響楽団桂冠名誉指揮者も務める。
ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ミラノ・スカラ座、バイエルン放送交響楽団など世界の一流オーケストラでの指揮も務める一方、ドイツ・グラモフォンでの録音作品も多く、あまたの国際的な賞を獲得。1992年にはフランスのレジオン・ドヌール勲章を受章。現代の人道・環境問題にも真摯に向き合い、1995年ユネスコの「マン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。2011年、シュターツカペレ・ドレスデンの首席客演指揮者に任命。同年6月には、フランス文化相により芸術文化勲章の最高章「コマンドゥール」が授与された。2012年3月、北朝鮮のウンハス管弦楽団とフランス放送フィルとの初の合同演奏をパリで実現させた。
海外の歌劇場を率いた本格的なオペラ指揮は、日本では極めて貴重な機会である。 |
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チョン・ミョンフン |
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原作 |
ウィリアム・シェイクスピア |
台本 |
アッリーゴ・ボーイド |
指揮 |
チョン・ミョンフン |
演出 |
フランチェスコ・ミケーリ |
管弦楽・合唱 |
フェニーチェ歌劇場管弦楽団・合唱団 |
主要キャスト |
オテロ:グレゴリー・クンデ(テノール)
デスデモーナ:リア・クロチェット(ソプラノ)
ヤーゴ:ルーチョ・ガッロ(バリトン) |
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公演日 |
2013年4月14日(日)
【開場】13:45 【開演】14:30 |
会場 |
愛知県芸術劇場大ホール |
料金 |
S\45,000 A\38,000 B\32,000 C\25,000 D\17,000 |
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