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外来のオーケストラ公演では滅多に取り上げられることがない、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲一番(ヴァイオリンソロ・諏訪内晶子)とベルリオーズの「イタリアのハロルド」というプログラムが、ヴィオリストとして有名なバシュメットが音楽監督を務める初来日のオーケストラで演奏された。第3楽章の長大なカデンツァを含め奏者の真価が試されるヴァイオリン協奏曲は諏訪内が堂々の演奏を披露、オーケストラも高い集中力でこれに応えた。若い奏者の多いこのオーケストラにはバシュメットの意向が浸透し、特に彼がヴィオラ・ソロも受け持った「イタリアのハロルド」はこのオーケストラをして可能となるパフォーマンスを見せた。いわゆる「弾き振り」は音楽家としては自分の理想を実現させる試みではあろうが、聴く側としては落ち着いて音楽に耳を澄ます以前に、今回のベルリオーズでは指揮にヴィオラに譜めくりに、忙しなく指揮台の上を動き回るバシュメットの姿がどうしても気になり、音楽に集中できない面もあったように思う。
当日のアンコール曲
・ ブラームス : ハンガリー舞曲 第1番
・ オリヴェイラ : ティコ・ティコ
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「ヴィオラの帝王」と呼ばれるほどにヴィオラ音楽の奥深さを知らしめてきたバシュメットと、彼が音楽監督に就任以来その水準を飛躍的に高めてきている若きパッション溢れるオーケストラの初来日公演。ヴァイオリンにはバシュメットと深い信頼関係で結ばれている諏訪内晶子が登場する。プログラムはヴァイオリニストの真価が試されるショスタコーヴィチの傑作コンチェルトとバシュメットの弾き振りによる「イタリアのハロルド」の豪華2本立て。素晴らしい組み合わせと新鮮なプログラムが実現した。 |
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ユーリー・バシュメット |
諏訪内晶子 |
指揮 |
ユーリー・バシュメット |
管弦楽 |
国立ノーヴァヤロシア交響楽団 |
ヴァイオリン |
諏訪内晶子 |
プログラム |
ショスタコーヴィチ: |
祝典序曲 作品96
ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調(ヴァイオリン:諏訪内晶子) |
ベルリオーズ: |
交響曲「イタリアのハロルド」(ヴィオラ・ソロ:ユーリー・バシュメット) |
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公演日 |
2010年5月13日(木)
【開場】18:15 【開演】18:45 |
会場 |
愛知県芸術劇場コンサートホール |
料金 |
S\13,000 A\11,000 B\9,000 C\7,000 D\5,000 |
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