ほんとに起きるの?大地震
ほんとに起きるの?大地震


今、心配な地震

◆東海地震とは
 日本列島が乗っている陸の岩盤(ユーラシアプレート)の下には、海の岩盤(フィリピン海プレート)が、沈み込んでいます。この影響で、陸の岩盤は、海の岩盤に引きずり込まれる様な形で、一年間に4センチほど、沈み込んでいるのです。
 150年間沈み込み続ければ、沈み込みは6メートルにもなります。
 この動きは、岩盤をコンニャクに見立てるとよくわかります。コンニャク(岩盤)の端を指で下に押し続ける。すると、途中でプルンとコンニャクが元に戻ります。これが地震の動きです。
 この沈み込みが、岩盤の歪みとなって、蓄積され、ある時、耐え切れなくなって岩盤が一気に、割れてもとに戻る、これが海でおきる大地震です。太平洋側では、100年から150年の周期で海溝型の大地震を繰り返してきています。
 東海地震は、こうした海溝型の大地震の一つで、駿河湾を震源としています。
 過去150年、この海域での大地震が発生しておらず、いつ発生してもおかしくないと言われています。



◆東南海・南海地震とは
 東海地震と同じメカニズムで起きるのが、東南海・南海地震です。
東南海地震は、紀伊半島沖の熊野灘、南海地震は四国沖を震源とする地震です。
3つの地震は、ユーラシアプレートの下に、フィリピン海プレートが沈みこむ、いわばプレートの境で起きる3つ子の様な地震です。
 特に東海地震が起きるプレートの境を駿河トラフ・東南海・南海地震が起きるプレートの境を南海トラフと呼びます。
 3つの地震は、これまで、同時かあるいは、連続して起きてきました。
 しかし、この150年間は、東海地震だけが起きていないという状況が続いており、東海地震の起きる海域は巨大地震の空白地帯となっているわけです。



◆東海地震の震度予測
 東海地震の震源域が、2001年、22年ぶりに見直されたのを受けて、東海地震の震度分布も見直されました。以前の震度分布では、この地方で震度6弱以上が予想されたのは、岐阜県中津川市と愛知県新城市の2市だけでした。
しかし、震度分布の見直しで、震度6弱以上の揺れが予想される地域を含む市町村として、名古屋市の他、豊田市や岡崎市などの三河地方尾張地方東部などの44市町村が新たに加わりました。 (合併で現在は43市町村)



◆強化地域の指定
 震度6弱以上は、国が地震防災対策地域強化地域に指定する目安です。
国は東海地方の強化地域の指定案として、以前から震度6弱以上が予想された
中津川市と新城市に加え、新たに震度6弱以上が予想された愛知県内の
44市町村を指定の検討地域としました。

さらに、津波の被害想定からも、強化地域指定の検討案を示しました。
指定の条件は、3メートル以上の津波が20分以内に押し寄せる地域です。
津波の条件で指定の対象となったのは、三重県の阿児町・大王町・志摩町の3町です。

ところが、強化地域の指定案から漏れた自治体から、追加指定の声があがりました。
液状化が心配される愛知県の津島・海部郡の13市町村と三重県の長島町など2町。
また、3メートル以上の津波が30分以内に押し寄せる三重県の鳥羽市など
13市町村。あわせて愛知・三重の28市町村です。

結局、国は自治体の要望をすべてうけいれ、これまでの中津川市・新城市の2市に
加え、新たに愛知・三重の75市町村を強化地域に加えることにしたのです。
国の強化地域指定
*1979年に指定済み  
 岐 阜  中津川市 (1市)
 愛 知  新城市 (1市)
     
*震度6弱以上  
 愛 知  名古屋市・豊橋市・岡崎市・半田市・豊川市・碧南市・刈谷市・豊田市・安城市・西尾市・蒲郡市・常滑市・東海市・大府市・知多市・知立市・高浜市・豊明市・日進市・東郷町・長久手町・阿久比町・東浦町・南知多町・美浜町・武豊町・一色町・吉良町・幡豆町・幸田町・額田町・三好町・設楽町・東栄町・津具村・鳳来町・ 作手村・音羽町・一宮町・小坂井町・御津町・田原市・渥美町 (43市町村)
     
*津波3メートル以上、20分以内到達  
 三 重  阿児町・大王町・志摩町 (3町)  
   
*液状化で追加指定  
 愛 知  津島市・八開村・立田村・佐織町・佐屋町・七宝町・美和町・甚目寺町・大治町・蟹江町・十四山村・飛島村・弥富町 (13市町村)
 三 重  木曽岬町・長島町 (2町)  
   
*津波3メートル以上、30分以内到達で追加指定  
 三 重  鳥羽市・伊勢市・尾鷲市・熊野市・二見町・御薗村・磯部町・浜島町・南勢町・南島町・紀勢町・紀伊長島町・海山町 13市町村 

  合 計  東海三県  76市町村
  (2002年改定時)