CBC・東山動植物園・名古屋港水族館は、連携企画として2011年度から13年度まで(東山植物園の参加は12年度から)『生きもの地球学校~東山動植物園・名古屋港水族館で学ぼう』を開催しました。
これは、2010年、名古屋で開催された「生きもの地球会議・COP10」を契機に社会に高まった生物多様性への関心をつないでいこうというものです。各講座では、毎回テーマを決め、飼育や栽培担当者による興味深いお話や、施設のバックヤード見学、それにNPO法人「地球映像ネットワーク」が所蔵する生きものの生態を克明に撮影したドキュメンタリー作品の上映を行いました。
10月27日(日)第7回CBC生きもの地球学校
「昆虫と植物の不思議な関係」 at 東山動物園
心配された台風27号が南の海上に逸れ、秋晴れとなった10月27日(日)、東山植物園にて「昆虫と植物の不思議な関係」が開かれ、23人の親子が集合しました。植物は自分が動けない分、風や生き物の力を利用して子孫を残しています。例えば、ハチやチョウなど、花の蜜を吸う、あるいは花粉を食べる昆虫を利用して、おしべの花粉をめしべにつける受粉行為ですが、実は植物は昆虫を引き寄せるために、様々な形で戦略を立て、進化してきました。植物園の今井田さんから説明があったのは以下の4点です。昆虫に蜜のありかを知らせるために花びらに「蜜標」と言う点をつける。花の形が筒状の植物は、受粉をしてもらいやすい口の長い、また脚力がある昆虫を寄り付かせている。雌花のめしべの先端を雄花のおしべと同じ様な色・形にして昆虫をだます。近親交配を避けるために、同じ花の間でめしべがむき出しになるタイミングをずらす。この他、葉の付け根に蜜腺を持ち、寄ってくるアリにボディーガードを頼む「アカメガシワ」や、ダニの為、葉の付け根に部屋を与える「クスノキ」など面白い植物のお話があり、その後、園内に出て様々な花や植物を観察しました。最後に④同様、近親交配を避けるために1晩目は赤、2晩目は白い花を咲かせると言う、珍しい植物「パラグアイオニバス」の花を割って、中の違いを観察しました。次回の「生きもの地球学校」は、11月30日(土)名古屋港水族館での「知っているようで知らないペンギンの秘密」です。