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制作発表

作・北川悦吏子さん

 出身地が岐阜なので、岐阜のドラマということで心惹かれる部分もあり受けさせていただきました。「月に祈るピエロ」という絵本をめぐって知り合った男女が、会わないながらもどれだけ心を通わせていけるのか…というところを書こうとしました。上手くいくかな?と思いましたが、今日のダイジェスト版を見てすごく上手くいった感じがしています。皆さんもぜひ見てください。

 テレビドラマでは、大人の恋愛というものを初めて書かせてもらいました。若い頃とは違った、人と人との関わり方があるのではないかというのを、このところ心の中で感じていました。「ネットで知り合うって、今っぽいよね」と思われるかもしれませんがそうではなく、離れていても言葉の力とか、想いの力といった人と人との繋がりを、自分で信じたいなという部分があって書いたような気がします。ある程度の人生を経てきた大人は、出会って、一目惚れで、恋をしてということではなく、人と関わることが若い頃より難しい部分もあるし、逆に若い頃よりそういう精神的な、人との関わりが必要だったりする部分もあると思いますので、それをゆっくり丁寧に描きたかったんだろうなと、今振り返って思います。

玉井静流役:常盤貴子さん

 私がやらせていただいた玉井静流という役は、地方に暮らしているしがらみとか色々ある中で、淡々とした日々を過ごしている女性なんですが、そういう描写がとってもリアルだなと思いました。

 静流は、今の生活は楽なんだけどそれではいけないと思っている。恋はしたい・・・でも、さすがにもう傷つきたくないっていう大人の考え方もあって。そんな中、怖いけれど半歩だけでも踏み出してみようとする勇気。…その感覚はとてもよく分かります。激しく共感したアラフォー女子ならでは感覚を、役を通して実感した感じです。

 今まで北川さんの作品は何本かやらせていただいていますが、今回の台本を読んで「すごい!大人の恋愛って、そうくるんだ!」と思って、ワクワクしました。大人の素敵なラブストーリーと堂々と言える作品です。でもアラフォー女子にとっては、痛い台詞が満載でした。私が一番好きだった台詞が「年ばっかとって、やんなっちゃう」って台詞なんですが、私もよく言っています(笑)。どこを取っても共感できる台詞なので、私自身あの世界観に入りすぎて抜けるのが大変でした。

 ラブストーリーというと若い子がやった方がいいと思っていましたが、これは新しい形の大人のラブストーリーです!ぜひ皆さんに見ていただけたらと思います。

戸伏 航役:谷原章介さん

 今回の作品は、もちろん静流さんを中心に描かれているんですが、航も仕事をバリバリやってきたけれど、体調を崩したり、家庭が上手くいかなかったりと、人生の大きな転機を迎えている役どころです。この作品を読んで、40歳前後というのは人生において、ここからもう一度仕切り直してリスタートする…、そういうタイミングなんだなというのを、本当に思いました。僕自身も41になって、40代は今までに積み上げてきたものを活かしてバリバリ働いていくんだという意識がありながらも、どこかで折り返し地点を過ぎたなって思いが自分の中であるんですね。今までは自分のことだけを考えて生きてきたんですけど、今は家庭もありますし、自分のことよりも更に周りにいる人のことにどんどん意識がいっていますね。

 航も、自分の価値観みたいなものが大きく揺らぐ中で静流さんと出会いますが、航自身が色んなことを経験したからこそ、その出会いに意味があって、それは静流さんの方もそうなのかなと勝手に思いながら演じました。そういった色んなことを経験したからこそ出会える人がいたというのが、とっても素晴らしいストーリーだと思いました。

 なかなか有りそうで無いお話になっていると思いますので、ぜひ楽しんでいただければと思っています。

CBCプロデューサー :堀場正仁

 今回は北川悦吏子さんに、ご自身の出身地である岐阜を舞台に大人のラブストーリーを書いていただきたいと、脚本をお願いしました。出来上がった脚本を拝見しましたら、改めてドラマにおける台詞の重み、大事さというか、こんな素敵な台詞があればドラマは出来上がってしまうなと思うほど、とても素敵な台詞がいっぱいの台本でした。それを常盤さん、谷原さんをはじめとした役者さんが本当に丁寧に演じてくださったので、良い作品に仕上がったと思います。

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