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#233　9月17日

『飛騨の英雄　両面宿儺』
岐阜県丹生川村（JR高山線・高山駅）

古代の飛騨に現れた「両面宿儺」。
２つの顔と４本の手足を持った伝説の人物です。飛騨人に愛され、弘法大師、円空が心惹かれた宿儺。古代史の謎をも秘めています。

穏やかな表情の裏に、怒りを宿した顔。
古代、飛騨に現れた「両面宿儺」は、多くの謎に包まれています。

二つの顔と、4本の手足を持ち、怪力を振るったという伝説の人物。

「日本書紀」には、『民を苦しめ、朝廷に背いたため討伐された』と、記されています。

ところが、飛騨の人々は、親しみを込めて、「宿儺さま」と呼んできました。

山を開いて林業の手ほどきをし、農耕の技術を広めた、恩人だったのです。

飛騨を訪れた弘法大師は、「両面宿儺」を「菩薩」に喩えました。

人並みはずれた知恵を持ち、武勇に長けた宿儺は、
権力争いに巻き込まれた皇族の一人、とも言われています。

円空もまた、千年の時を経て、「両面宿儺」に強く心を惹かれます。
相反する二つの顔に、人間が宿す心の内、表と裏を見たのかもしれません。

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