#152 9月5日 『奈良の赤膚焼』 奈良県奈良市(奈良線・奈良駅)
ほんのりと赤みがかかった地肌に乳白色や黒の釉薬かけられた赤膚焼。 小堀遠州七窯の一つにも数えられ、茶人からも高く賞されていました。 遥か平城の都で愛された赤膚焼は、今に伝える赤膚焼。

柔らかな風合いが手にやさしい「赤膚焼(あかはだやき)」。 奈良の都人(みやこびと)が愛用した器と同じ土が、
現代の暮らしに潤いを与えています。

1300年前、都が置かれた古都・奈良。
赤膚山と呼ばれる丘陵地は、
今も焼き物に適した土に恵まれています。
奈良時代には、ここで、貴族が使う器が作られていました。

しかし、都が京都に移されると、
陶工たちもこの地を離れてしまいます。
やがて、江戸時代の中ごろ、
奈良の地を治めた郡山藩主が京都から陶工を招き、
窯を再興。 仏教の教えを描いた「奈良絵」をデザインした 「赤膚焼」が生まれます。 1000年の時を経て、焼き物づくりの火が蘇ったのです。

「鉄分を含んだ土」と「ワラを焼いた上薬」が
登り窯の中で一体となり、独特の風合いが生み出されます。 炎の前で、陶工が最後にできるのは、祈ることだけと言います。

 

古都の香りを伝える赤膚焼――――、
自然の力が、陶工の技を際立たせています。