今までの公演

#283

 

小野 武彦 「意気投合〜謝りたくなかった二人〜」

今回のゲストは超ベテラン俳優の小野武彦さん。俳優としてのキャリアが多い分即興ドラマに対する緊張も少ないと思いきや・・・台本を覚えない分ドキドキするとの事。俳優として過ごした時間が長いからこそ生まれる緊張である。後にプレビュートークで分ることであるが、ドラマの中で「喜怒哀楽」を意識したという小野さん。どんなドラマが出来上がるのか。

即興ドラマの方は、鶴瓶の板付きスタート。小野は茶室にノックで入ってくる。互いに「どうも・・・」と親しい間柄ではなさそうだ。小野は「なんでこんなに急なんですか!!」と怒鳴りだす。いきなり「怒」の部分が登場だ。小野は、弁解する鶴瓶に対し「分かりました。一度謝ってください。それで水に流しましょう。」と言う。すると鶴瓶は「私、実は謝ったことがないんです。父と母の遺言で・・・。」と衝撃の告白。それに対して、小野は「じゃあ謝ったことないんだ!!つとむ君は!!一度も!!」と激怒。なんとも皮肉っぽさ全開の「つとむ君」である。すると小野の口から驚くべき言葉が・・・「実は私も・・・人に謝ったことがないんです。」と謝ったことがない物同士というまさかの設定に。

そんなことより、鶴瓶は「つとむ君」と呼ばれたことに怒りだす。「初めて会う人に『君』付けはおかしいでしょ!!」と怒鳴りつける。すると小野は「『君』付けはすみません。」と謝ってしまう。「あ・・・謝っちゃった・・・」と自己嫌悪に陥り、涙を流す。「哀」を悲しみの象徴である涙でなんとも自然に表現してしまう。鶴瓶には「私の分まで頑張ってください、おねがいします。」と想いを託す。

すると「謝るって意外に気持ち良いな・・。」と小野が感傷に浸り始める。それを見た鶴瓶は「私も謝ってみたくなってきましたよ・・・木村さん、すみません。」と謝ってしまう。謝ることの気持ちよさを感じた二人はすっかり意気投合し、喜びを分かち合う。ここでも何とも自然な流れで「喜」を表現。

小野は「それより何で私をお呼びになられたのですか。」と話を展開する。実は、鶴瓶は税金の問題で警察に逮捕されるかもしれないという瀬戸際にいたのだ。そのことで、税理士事務所を経営する小野に相談しようとしていたのだが・・・税理士事務所を経営しているのは小野の弟であった。小野は建築関係の仕事をしているという。「早く弟に相談した方がいいですよ。捕まりたくないでしょ。」とアドバイス。鶴瓶は愛する女性がいて、絶対に捕まりたくないのだという。その流れで話題は女性のことへ。お互いに自分の愛する女性を自慢し始め会話を楽しんでいる。「喜怒哀楽」の最後の「楽」が登場だ。小野は「うちのは35歳なんですよ。私は70なのでダブルスコアなんて言われちゃって。」というシャレを披露し、中井のOKコール。

ベテラン俳優として大活躍の小野さん。スジナシの中ではお茶目な部分も。スタートの設定は小野さんの希望で、ジャンケンで決定した。それだけでなく、ドラマ中にはシャレを言ったりもしていた。しかし、演劇に対する姿勢はさすがだ。即興ドラマの中でもテーマを設定し、内容を不自然にすることなくこなしてしまう。恐らく、ドラマの中に「喜怒哀楽」が組み込まれていた事に気付いた人は、ほとんど居ないだろう。これが長い年月をかけて培われた「役者魂」だ。

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