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今までの公演

#258

 

梶原善 「エンドレスおとうちゃん」

今回のゲストは映画、ドラマ、舞台で独特の存在感を放つ、梶原善さん。設定は「リビング」スタジオにはモデルルームのようなきれいなリビングが作られた。梶原の衣裳はステテコの上下。およそこのリビングとは不釣合いな格好ではあるが・・・。果たして。
開始早々鶴瓶が梶原に向かって「お父ちゃん」と呼びかける。まさかの始まりである。どう見ても梶原父、鶴瓶子という設定は飛んでいるようにも思えるのだが・・・。しかし梶原は自分が父親役、鶴瓶が息子役というまさかの展開にも、動じることなく受け止めていく。
梶原は刺身の脇に飾る葉を採取して高級料亭に卸す仕事をしており、その特技を活かして近所の雑草を集めたおかゆを鶴瓶に食べさせていたが、鶴瓶はそのおかゆは苦くて嫌いだったという。ここまでの流れだけでも如何に突飛なストーリーかお分かりだろう。
梶原はその仕事で財を成し、この大きな豪邸を建てたのだ。しかし鶴瓶(子)は昔住んでいた掘っ立て小屋のような家が気に入っていたという。お母さん、つまり梶原の嫁は現在その家に住んでおり、梶原とは別居だという。それは梶原の責任もあり、若い女の子を引っ張り込んだことが原因でもあった。
鶴瓶は「葉っぱで一財産」「若い女に溺れる父親」など少し怪しげなキーワードを盛り込み事件へと発展させようとするが、梶原はそれを全て事件ではなく、日常の平凡な生活へと変えていってしまう。その後も、鶴瓶が繰り出す展開の全てをさらりと受け止めて、超不自然な日常が描かれていく。鶴瓶は実は梶原の養子で、昔梶原が草を採っていたときに遠くのほうからやってきて、腹減ったと言うから梶原家に連れて行きご飯を食べさせたところ、梶原家に居ついてしまったので、養子になるか?と聞いたところ養子になると答えたので、鶴瓶は梶原の養子になったという。まさに非日常。
そこで鶴瓶が仕掛けていく。梶原が溺れている若い女の秘密を鶴瓶が知っていると言う。ドラマが大きく動いた瞬間だ。
その秘密とは・・・?
その女は梶原のお金を引っ張れるだけ引っ張ったらフェードアウトするつもりだ、というのだ。これは驚愕の事実!と思いきや、「おう、知っとった」とこの重大事件も梶原はさらりと受け止めてしまう。思わず肩透かしの鶴瓶。
そんな非日常なドラマの行き着く先は不透明なまま、誰もが予想していなかった驚愕のラストへと突入していく・・・
話は別居中の嫁のことになる。梶原はもとの鞘に納まる気は無いという。性格の不一致だと。そこで鶴瓶は大きな爆弾を落とした。
「おかあちゃんのう、癌なんよ。もうあんまり時間がないんよ。だから一緒に住んで欲しいって言いにきたんよ」と鶴瓶が人生の選択を迫る展開を見せた。何もかもさらりと流してしまう梶原の心を鷲掴みにしようとした。「おかあちゃん、あんたのこと好きやぞ」と凄い剣幕で詰め寄った。
しかし・・・。
「じゃあ、週1回。月曜か水曜なら行ける。午前中」
鶴瓶が心で「オイッ!」と突っ込んだところでOKの声が掛かった。

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