吉村作治

吉村作治
早稲田大学名誉教授
エジプト考古学者

丹野みどり

丹野みどり
CBCアナウンサー

その神に捕れたての海の恵みを捧げる海女。
30艘を超える船を走らせ、互いに海水を浴びせ清めあう漁民。
790年の歴史を持つ海の祈り「じんじん(神々)」の魅力に迫る

  志摩は海産物の宝庫。町民の多くは漁業を生業とし、神事の舞台となる神の島「和具大島」は彼らにとって心のよりどころである。特に外洋の荒磯で命がけの素潜り漁を行う海女にとっては豊かな海の恵みを与えてくれる「豊饒の海のシンボル」なのだ。一方、海は、一旦牙を剥けば命を奪う恐ろしい存在でもある。ゆえに海女は、日頃から磯の小島に向けて手を合わせることを忘れない。
  夏の訪れとともに、神が大島に里帰りする日がやってきた。「潮かけ祭り」本番の日、海女は供え物を求めて海に出る。男たちは神を乗せる「マンド船」や追走する漁船を飾る。神が大島に渡ると、海女は捕れたてのアワビやウニを手に祠に向かい、男たちとともに豊漁と無事を祈願するのだ。供された魚を漁民たちも食らう。
  祈りが終わると再び船を走らせる漁民たち。30艘以上の漁船団が互いに激しく海水を浴びせあう。海水で身を清めあう祭人。「潮かけ祭り」が最高潮を迎える。