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SMAPより先に「オンリーワン宣言」!
谷間の世代に咲く花は??

同い年のマジですごいやつ - 「同い年のマジですごい思い出」第四話

年末年始は同窓会シーズン!同い年の仲間が集まり、あの頃の思い出話にも花が咲きます。
そんな「同い年」にまつわる各世代のエピソードを連載します!
続いては50代…。

~第四話~
『SMAPより先に「オンリーワン宣言」!谷間の世代に咲く花は??』

戸井康成(50代)

草野球仲間と呑んでるとよく、 「俺ハンカチ世代なんすよね〜」とか、 「これからは僕ら大谷世代が引っ張って行きます!」みたいな話になる。 「は?おしぼりでしっかり顔拭くくせに、何がハンカチ世代だ!」 「MAX72キロ、打率1割のお前がよく二刀流を語るよなぁ!」と ツッコミつつ、ちょっと羨ましい。

なんせこちとら「谷間の世代」。 1つ上にはレジェンド・山本昌やID野球の申し子・古田。1つ下には桑田&清原のKKコンビに鉄人・金本…。うん豪華。 「谷間の世代」…。やっぱりな。だってうちら丙午生まれだもん。あの極端に人口少ない1966年生まれだもん。

だからそんな時はいつも、 「俺、マイクタイソン世代!」って言うのだ。 「競技変わってんじゃん!」ってツッコまれても、 「いや、タイソンも丙午生まれ。だからタイソン世代!」って。 まぁ、本人は丙午なんて知らないだろうけど…。

そんな「谷間の世代」の俺にも、頼もしい同級生はいる。

小学校のクラスメイトNくん。中肉中背、典型的な坊ちゃん刈り、お世辞にもイケメンとは言えないルックス。授業中にあてられると、決まって右の耳たぶを引っ張りながらしどろもどろ答える(残念ながら、そこにやる気スイッチは無い…)

Nくんとは小学六年生で初めて同じクラスになった。いきなり校舎の2階からカーテンで作ったパラシュートで飛び降り骨折!ジュリーがTOKIOを歌う2年も前だ、パラシュート先取り。

卒業文集の「将来の夢」では、「プロ野球選手」「パイロット」「お花屋さん」「幼稚園の先生」なんて書いてる小学生の中で1人だけ「オンリーワンの人間」と記した。SMAPが解散どころかデビューするうんと前に、オンリーワン先取り。恐るべし12歳。

みんなどこか戸惑いながらも、Nくんに憧れていた。自分に無い何かを持ってる男…。そんな気持ちで彼の事を付かず離れずの距離で見守っていた。「あいつ将来デカイ事やりそう!」クラス全員がそう思ってた。マジで。

そんなNくんの快進撃は中学入学後も続く。しかし、それはちょっとずつズレながら…。

先ずは中1の頃。竹の子族に憧れた彼は、奇抜な格好をして近所の神社(笑)で1人踊りまくる。学校に通報。

続いてYMOに影響され、ドラムの代わりに缶ペンケース(懐)をいくつも並べてシャーペンで叩きまくる。クラスメイトからは大不評。

プロレスブームの頃は、手作りのマスクを被り、我が校に降臨。しかもその姿で登校して教室で脱ぐという謎の行動。近所の園児を泣かす。

また、学校の二宮金次郎像にエロ本を持たせ、先生にばれる。仕方なく隠し場所を百葉箱にするがあえなく見つかり没取…。やる事なす事デタラメ。

この頃になると、友達(特に女子)が彼の事を「羨望の眼差し」から「絶望の眼差し」で見てるのは明らか。大幅に格下げである。

それでも俺が彼を見捨て(?)なかったのは、彼がせっせと深夜ラジオに投稿していたから。しかも、かなりの確率で採用されていた。

当時の深夜ラジオと言えば若者文化発信基地。そりゃもう大人気で、ハガキ(懐)が読まれると次の日クラスでヒーローになるような時代…。そんな俺達を釘付けにした深夜ラジオで、彼はちょっとした有名人だったのである。

俺も彼に感化されまくり、深夜ラジオデビュー!しかし、中々採用せれず落ち込む日々。布団の中でラジオを聴きながら、夜毎悔し涙で枕を濡らし、As soon as、今度は下ネタトークに股間を熱くさせていた(若)。

今、仮にも俺がラジオの世界で生きていられるのも彼の存在があったから。

…いや、ホントにそうなのか?ちょっとまた考えよう、結論は別の機会に。

そんな彼とは高校入学で別々に。風の噂でいろいろ聞いてはいたが、会うことはなかった…いや無いはずだった!

なんと高校三年の夏休み、本屋で突然の再会を果たす。彼は挨拶もそこそこに、 「大型バイクの免許取ったんだぜ!」と愛車を見せてくれた。 そこにはピカピカに輝く真っ赤なタンクの750ccが! 「おお!かっちょエエ〜!」と俺は思わず大声をあげた。何年か振りの「羨望の眼差し」を向けたよ、彼に。

しかし、ふとナンバープレートを見ると 「2319」…ブ・サ・イ・ク!

神は彼にどんな試練を与えようとしてるのか!それとも彼には笑いの神が付いているのか?

彼はそんな事に気づいてる様子もなく、勿論俺も言う訳もなく、颯爽と愛車「ブサイク号」で走り去りました。

それが彼とあった最後。

大学には進まず、上京したという噂。

東京ではなんでもプロボクサーを目指して頑張っていたらしい。しかも、始めたきっかけは、マイクタイソンが東京ドームでジェームスダグラスにKO負けした試合を生で観たからだと…。タイソンの仇を獲れるのは俺だけだと…。

ホントだとしたらどこまでアホな、いやどこまでスゴイ奴なんだよ、Nくん!さすが「オンリーワンの人間」…丙午万歳!!

新年早々決めました。これから呑み会で聞かれたらこう答えるよ。

「俺?Nくん世代だから!」

「それ誰っすか〜??」のツッコミ上等で!!

戸井康成

(ラジオパーソナリティー)