教えてドクター

視聴者の皆様から健康天気予報の予報ジャンル*についての
疑問や質問をドクターにお答えいただきました。

花粉症

  • 鼻づまりの時の鼻はどうなっているのでしょうか?
    楽になる方法はありますか?

ドクターからの回答

東京慈恵会医科大学 吉川先生

花粉が鼻の粘膜に付着すると、粘膜にある肥満細胞という細胞から“ヒスタミン”や“ロイコトリエン”という化学伝達物質が放出されます。これらに刺激されて鼻の血管が拡張し、血管壁が緩み、血液中の水分が外に浸み出して鼻の粘膜がむくみます。この結果、鼻が塞がれて“鼻づまり”となります。
楽になる方法はいくつかありますが、最も簡単で確実な方法は、アレルギー反応を緩和する飲み薬や点鼻薬を医師と相談しながら使用することです。ただし、即効性があるからといって血管収縮剤が含まれている点鼻薬を連用するとかえって鼻づまりがひどくなるので注意してください。このほか家庭でできる方法としては、専用の器具を使って43℃の水蒸気を鼻から吸入する“温熱療法”も有効と言われています。

  • 年をとると花粉症が楽になるのは本当?

ドクターからの回答

東京慈恵会医科大学 吉川先生

年をとっても花粉症が自然に治ることはほとんどありません。
ただし過去に行われた調査によると、年度によってスギ花粉の飛ぶ量が違っても、60歳を超えるとスギに対する抗体のできる量に違いが見られない事がわかりました。
このことから60歳以上では免疫機能の低下により大量のスギ花粉を吸い込んでも抗体をつくりにくい状態になっているのかもしれません。それにより花粉症がラクになる可能性はありますが、全ての方に言える事ではないので注意してください。

  • 効果的な花粉症対策を知りたい。

ドクターからの回答

東京慈恵会医科大学 吉川先生

一番の予防は花粉になるべく接しないことです。
花粉症の予防にも重要です。
具体的な花粉症対策としては以下のようなものがあります。
(1) 花粉情報に気をつける
(2) 飛散の多い日は外出を控え窓や戸を閉めておく
(3) マスクやめがねを使う
(4) 外出時の上着やコートは表面がすべすべした綿かポリエステルなどの化学繊維のものを着る
(5) 外出から帰宅したら洗顔やうがいをし、鼻をかむ
また花粉症に限ったことではありませんが、睡眠を良くとり生活習慣を保つことは、正常な免疫機能を保つために重要です。

  • もう、毎年花粉症がすごく辛いので、何とかして欲しい。
    もっと特効薬はないのでしょうか?

ドクターからの回答

東京慈恵会医科大学 吉川先生

民間療法なども含めると花粉症に対しては数多くの治療法がありますが、症状が強くなってしまった人の場合は、安全でだれでも使えてすぐ治る特効薬は無いと 考えた方がよいと思います。最近は副作用も少なく効果的な薬もたくさんありますので、症状が強くなる前に早めに治療を始めることが最も重要です。
日本アレルギー学会では、医学的な根拠に基づき多くの医師が認めている治療として、「鼻アレルギー診療ガイドライン」を作成しています。それによると花粉症の治療には、医療機関で行う薬物療法、体質改善のために花粉から抽出したエキスを注射する免疫療法[めんえきりょうほう](減感作療法[げんかんさりょうほう])や、鼻を広げて鼻の通りをよくしたり、神経を切って鼻みずやくしゃみを減らしたりする手術療法がありますが、このうちどれを選択するかについては医療機関を受診し現在の花粉症の状態をよく把握した上で医師と相談することが重要です。

  • 昔の人は花粉症ってあまりいなかったように思いますが、どうして突然増えたのか?

ドクターからの回答

東京慈恵会医科大学 吉川先生

 花粉症をもつ人の数は正確なところ分かっていませんが、最近の全国的な調査ではスギ花粉症をもつ人の割合は約30%であったという報告があります。スギ花粉症をもつ人が増加している原因は、第二次世界大戦後に建築用資材としてスギの植林が盛んに行われた結果、花粉の飛ぶ量そのものが増加していることに加えて、ディーゼル排出粒子や窒素酸化物などによる大気汚染や、喫煙、居住環境の変化、食生活の変化、結核や寄生虫といった感染症の減少の影響が指摘されています。

  • 花粉症によい、食事などはありますか?

ドクターからの回答

東京慈恵会医科大学 吉川先生

 花粉症などのアレルギーによいと言われている代表的な食事には、ポリフェノールやフラボノイドを含む食品(緑茶に含まれるカテキン、トマト抽出物、シソの葉エキス、カシス、ミツバチ関連物質のプロポリス、青汁、甜茶、ハーブ茶、ドクダミ茶など)や乳酸菌やビフィズス菌を含む食品(ヨーグルトなど)があります。良い理由は、ポリフェノールやフラボノイドを含む食品はアレルギーを悪くするヒスタミンといわれる物質を出にくくし、乳酸菌やビフィズス菌を含む食品はアレルギーを悪くするリンパ球の働きを抑えるためと言われています。ただし、どの食品も治療薬のような即効性はなく作用も弱いため、それだけでは花粉症は治りません。また、科学的に効果が認められた食品もありますが、その結果はわずかしかなく、本当に効くかどうかについてはまだまだ検討の積み重ねが必要です。

  • 一年前まではそうじゃなかったのに、今年から花粉症デビューする人の身体はどうなっているの?

ドクターからの回答

東京慈恵会医科大学 吉川先生

 花粉症は、花粉に対して人間の体が起こす異物反応です。体の免疫反応、特に抗体(こうたい)というものが原因となり、花粉に過剰に反応して花粉症の症状がでます。今まで花粉症ではなかった人でも、大量の花粉を吸い込むと体が花粉に対する抗体をつくる可能性が高くなります。抗体をつくるかどうかは遺伝が原因となることもあります。花粉に対する抗体がたくさんできてしまう感作(かんさ)という状態になると、次に花粉を吸い込んだ時に抗体に花粉がくっついて花粉症を発症します。そのため、今まで症状がなくてもある年から突然花粉症になるのです。また、今まで軽症で花粉症であることに気がつかなかった人が、花粉がたくさん飛んだ年に大量の花粉が鼻や目に入ったりして、いつもより花粉症の症状が強くなり気付くこともあります。