第288回(1/22)

それは前兆かもしれない!大研究!クモ膜下出血

ゲスト 長谷川理恵 プレゼンター 深沢邦之

クモ膜と脳の関係

クモ膜は、脳や脊髄などの中枢神経を包む薄い膜。クモの語源はクモの巣のクモです。
やわらかい脳を保護するため、頭蓋骨と脳の間には硬膜、クモ膜、軟膜という3つの膜があります。そしてクモ膜と脳の間には脳脊髄液が流れていて、これが脳を守るクッションの役割を果たしています。

クモ膜下出血

クモ膜の下、脳脊髄液が流れている空間は、実は動脈の通り道でもあります。クモ膜下出血とは、その動脈にできた動脈瘤が破裂して出血する病気です。動脈の出血により血液が脳脊髄液にあふれ、脳内の圧力が急激に高まり(通常の10倍以上)、脳に損傷を与えます。最悪の場合脳の一部が頭蓋骨から押し出され、生命活動を維持できなくなってしまいます。

クモ膜下出血危険度チェック

(1)親兄弟、血縁者にクモ膜下出血の人がいる、また脳動脈瘤を持つ人がいる。
  (脳動脈瘤の出来やすさは遺伝しやすいものです)
(2)ついついお酒を飲みすぎてしまう。
  (お酒は1日2合以内が目安。それ以上飲む方は血圧が上がりやすくなります)
(3)高血圧である。 
  (血圧の高い人は血管が傷みやすいため、動脈瘤ができやすく破裂のきっかけにもなります)
(4)たばこを吸う。
  (ニコチンは血管の膜を傷つける作用があります)
(5)ストレスをためやすい性格である。
  (ストレスをためることも、血圧上昇を招く一因となります)

クモ膜下出血の症状

ハンマーで後頭部を殴られたような突然の頭痛が、クモ膜下出血特有の痛みです。いつもと違う頭痛を感じたら一刻も早く病院へ行きましょう。
クモ膜下出血は、最初の破裂で発見できると軽傷で済むことも多いといいますが、問題は2度目の破裂です。2度目の破裂は出血量が多く、弱っている脳に大きなダメージを与えます。最初の破裂から数日間が再破裂の危険性が高まります。最初の動脈瘤の破裂に伴う、今まで経験したことのない突然の頭痛を見逃さないことが、とても大切です。

クモ膜下出血がおこるサイン

脳動脈瘤は、眼の神経の近くにできることが多いのですが、破裂の寸前動脈瘤は一気に巨大化し目を動かす神経を圧迫します。そのため目の動きが麻痺し、片方の瞼が垂れるという症状が出ることがあります。
同じ理由から脳動脈瘤の破裂寸前に、片目だけまぶしい、物が2重に見えるということもあります。クモ膜下出血のサインが目に出る場合もあるので見逃さないようにしましょう。


脳動脈瘤の破裂や再出血を防ぐには、開頭手術を行い、動脈瘤の根元をクリップで止める方法(クリッピング手術)と、カテーテルを用いてコイルを瘤の中にいれ、血液の侵入を防ぐ方法(脳動脈瘤コイル塞栓術)があります。
クモ膜下出血の予防には、喫煙・高血圧・過度の飲酒に気を付けることが大切です。遺伝が気になる方は脳ドッグで脳動脈瘤の有無を確認しましょう。