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第274回(10/9)

知って得する基礎“血”識!血小板とカラダの関係

ゲスト 田丸麻紀 プレゼンター 深沢邦之

血小板の働き

血液の成分のほとんどは、酸素を運ぶ赤血球とタンパク質や脂質などを含む血漿で、血小板は血液成分の0.5%ほどしかない小さな細胞です。その血小板の大きな働きは止血ですが、逆に血小板が働きすぎると他の病気につながる場合もあります。

糖尿病や高血圧、脂質異常症などとの関わり

糖尿病や脂質異常症そのものが、血小板の機能を亢進させるというデータがあります。
これは、血糖値やコレステロール値が高くなると、糖や脂質によって血小板の性質が変化し、血小板同士がくっつきやすくなるということ。現代の生活習慣が血小板をくっつきやすくさせ、血液の中に塊を作ってしまう原因になっているのです。
さらに、動脈硬化で狭くなった血管の内膜が破けると、瞬時に血小板がくっつき、血の塊である血栓を作ります。これが心臓の血管なら心筋梗塞、脳の血管なら脳梗塞になります。

普段は出血を止めてくれる血小板ですが、文明社会になって食生活も変わってきたため、血小板が悪さをする細胞として注目されるようになってきたのです。

血小板の減少

血栓を作ってしまう血小板ですが、減りすぎても問題が起こります。血小板が減ると、出血が止まらなくなる、アザができやすくなるなどの症状が現れます。病気で血小板が少なくなった場合は輸血で補うという方法がとられます。

血小板の成分献血

血小板の成分献血では、血液を遠心分離機にかけて血小板を採取し、赤血球は再び献血者の体内に戻します。およそ2000mlの血液から200mlの血小板を採取し、時間はおよそ40分~60分ほど。これが患者さんへの1回の輸血量になります。
血液は医療機関に届けられるまでそれぞれ適した環境で保存されますが、血小板の場合、固まったり機能が悪くなったりしないよう揺れた状態で保存されます。

血小板製剤の有効期間は採血後4日間。主に抗がん剤治療や放射線治療を行っているがん患者の方たちに使われます。
成分輸血のように必要な成分だけを輸血するほうが、患者さんの身体の負担も少なくてすみます。

また献血には全血献血と成分献血がありますが、成分献血は回復に時間のかかる赤血球を体内へ戻すため、献血者の身体への負担も軽減されます。
ただし、献血には年齢や体重、病歴や渡航歴などいくつかの条件がありますので、詳しくは献血ルームへお問い合わせください。

より良い血液を献血するためには、貧血の改善や生活習慣病の改善も必要となってくるのです。