第233回(12/5)

ブルッときたらご用心!病も潜む“ふるえ”の真実

ゲスト 床嶋佳子 プレゼンター パックンマックン

人間はカラダのあらゆる部分を動かす時、その周辺の筋肉を収縮させています。ところがその部分を一定の位置に留めていると、筋肉が力を出し合い拮抗します。これは筋肉同士が綱引きをしているような状態です。そのため目に見えないレベルの細かなふるえが起こります。寒さ等のふるえは、このもともとのふるえが様々な条件の下で大きくなったものです。

寒さとふるえの関係

周りの温度が急激に下がると、脳が身体に体温保持の準備をさせようと、短いふるえを起こして知らせていると言われています。これはいわば「お知らせのふるえ」。このお知らせふるえの身近な例がトイレでのふるえです。急に室温が低いトイレに入る事と、温かい尿を排出することで身体の熱が低下し、ふるえが起こると言われています。

また人間が寒い時にふるえるのは、体温が低下しないように筋肉をふるわせて熱を作っているから。脳には外気温や体温を察知するセンサーがあり、温度が下がると自動的にふるえるのです。

一般に筋肉や脂肪が多い人の方が熱が外に逃げにくいため、ふるえにくいと言われています。

感情とふるえの関係

人間の脳は、腕や足の筋肉を100%精巧に使いこなせません。そのため普段やり慣れていない手先を使った繊細な作業などをすると、神経回路に微妙な誤作動が発生し、ふるえとなって現れると言われています。
また脳が感情の高まりを感じると分泌される「アドレナリン」も、ふるえを大きくさせる原因。心拍数が上昇するなど、自律神経が身体の働きを上手くコントロールできなくなるのです。アドレナリンはイライラや緊張、怒り、感動した時などに分泌されます。
この「感情のふるえ」の最大の特徴は、意識をしたところがふるえてしまうこと。例えば細かい手作業をする時には手元が、人前で話す時には声がふるえてしまいます。

病気が潜んでいるふるえ

(1) 「本態性振戦」
これはふるえだけが日常的に起こる病気です。発症する詳しい理由は分かっていませんが、脳から末端への神経回路に何らかの異常が起きていると考えられています。  
ふるえ以外の症状はないものの、普段の作業をしようとするとふるえだすため、食事ができない、字が書けない、服が着られない、人前で声が異常にふるえるなど、日常に様々な支障をきたすのが特徴です。
(2) 「パーキンソン病」
パーキンソン病は、脳の黒質という部分に異常が起こる病気で、初期症状としてふるえが出ます。
本態性振戦とは対照的に、何もしていない安静時にやや遅くて大きなふるえが起こるのが特徴です。進行すると全身の筋肉が硬直し、足が上手く動かなくなるなど、様々な動作が緩慢になってきます。
最終的には寝たきりになってしまう恐れもあります。

どちらの病気も、薬物療法でふるえの症状を抑えますが、薬で十分治らないときは、脳の深部に電気刺激を与えてふるえを抑える手術を行います。
他にも脳卒中やバセドウ病、小脳梗塞、アルコール依存症などでもふるえの症状がでることがわかっています。
ふるえの症状に悩んだら、神経内科を受診しましょう。