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第219回(8/29)

人体に広がる神秘の宇宙!2010年カラダの旅

ゲスト ジュディ・オング プレゼンター 半田健人

レオナルド・ダ・ヴィンチが残した「人体は宇宙の模型」という言葉。その言葉そのままに、カラダの中には構造はもちろん、見た目にも宇宙のような空間が広がっています。

走査型電子顕微鏡

人間のカラダを、ミクロの世界で詳しく見る為に使われるのが「走査型電子顕微鏡」。真空状態の中で対象物に電子を当てる事で、表面の形状や凹凸をより細かく、鮮明に見ることが可能になります。
例えば動物の舌を走査型電子顕微鏡で見てみると、剣山のような無数の突起物があるのがわかります。これは糸状乳頭と呼ばれるノドの方向に向かって伸びている突起です。糸状乳頭があることで、食べ物を食道へと効率的に運ぶ事ができるのです。
また、気管の表面を覆う繊毛は、1本1本がススキが風にそよぐような動きをし、気管に入ってくるホコリ等をキャッチ。カラダの外に排出する働きをしています。
体内の細胞が、病気を引き起こすばい菌「バクテリア」に襲われると、白血球の一種である「マクロファージ」がやってきます。そしてマクロファージは、自らのカラダをカメレオンの舌のように伸ばしてバクテリアを捕獲。自分の体内に引きずり込み、破壊してしまうのです。
走査型電子顕微鏡を使ってミクロの視点でカラダをのぞいてみると、あらゆる器官がいかに高性能かということがわかります。

内視鏡

人体の内部を見るのに一番ポピュラーな方法としてあげられるのが内視鏡。
内視鏡を使って、生きている人体で初めて見る事のできた部位は膀胱で、約200年前と言われています。
消化管の中では胃や食道、十二指腸、小腸、大腸などの臓器を内視鏡で見ることができます。他にも膀胱や子宮、腎臓の中まで内視鏡で観察することができるのです。
内視鏡での病気の早期発見が、治療の近道となるのは言うまでもありません。

仮想内視鏡

CTの発達により、非常に細かい画が撮れるようになったため、内視鏡を使わなくても内視鏡で見たような画を再構成することができます。これを仮想内視鏡と言います。
仮想内視鏡では、360度どの角度からでも観察できるため、内視鏡では見えない部分の異常も見逃しません。しかも仮想内視鏡は、胃や大腸などの臓器だけではなく、骨や血管の中までも映し出すことができるのです。
この仮想内視鏡は、身体の不自由な方や寝たきりの方の検査に有効だと言われています。
仮想内視鏡は1990年代に登場し、主に大腸の検査を中心に使われていますが、実際に検査をする際には、2つの内視鏡を使用するのが望ましいでしょう。